心屋「太る、やせられないはすべて“心の問題”」 ダイエットは、心のあり方を変えるだけ!
公開日:2016/3/15
各地の講演会やテレビなどにも出演し人気を呼んでいる心理カウンセラーの心屋仁之助氏。“頑張らない生き方”という価値観にもとづいた心屋流のメソッドは多くの人に共感され、『「好きなこと」だけして生きていく。』『一生お金に困らない生き方』(ともにPHP研究所)など数々の著書がベストセラーとなっている。
そんな同氏が2015年12月に出した書籍 のテーマはなんと「ダイエット」。もちろんダイエットといっても、食事制限や運動法などの肉体改造系のメソッドが紹介されているわけではない。『ココロでやせるダイエット』(心屋仁之助、和田ゆみこ/PHP研究所)で語られるのは、あくまでも「ココロ」のもちようだ。
いろいろなダイエットに挑戦しても成功しない、あるいはすぐにリバウンドしてしまうという「ダイエットジプシー」の人はぜひとも読んでほしい。本書は「太る、やせられない、食べるのをやめられない、というのはすべて“心の問題”」と断言。心のありようを変えるだけで「食べたいものを我慢せずに、特別な運動もせずに」痩せられるというのだ。「ココロでやせる」とは一体どういうことなのか? その一例を紹介しよう。
本書には心屋さんのほか、心屋流の考え方を取りいれてダイエットに成功した和田ゆみこさんという女性が登場。和田さんの体験記では、身長154センチ・体重72キロだった彼女が、5カ月で10キロ痩せて理想の体型に近づいていく過程が詳細に書かれている。これまでどんなダイエットを実践しても成功できなかった和田さんがスリムになれたのはなぜなのか? その理由のひとつが、「太っていたほうが愛される」という潜在意識に気がついたから。
今までの体験から「傷ついている自分のほうが褒められたり、優しくされたり、関心をもってもらえる」と無意識に思い込んでいた和田さん。「太ってダイエットに失敗して傷ついている自分=愛される自分」という方程式が出来上がっていたため、表面上は痩せたいと思っていても、無自覚にあえて太るような行動をとっていたというのだ。この気づきをきっかけに、「どんな体型でも私は愛される」と自分に言い聞かせることに。そうすると、だんだんと過食の頻度が少なくなっていき、自然に痩せていったのだという。
他にも、「自分のことを大切に思うと、ゴミ箱のように不要な食事をどんどん体の中に捨てるようなマネはしなくなる」「“自分はすでに満たされている”という気持ちをもつと、わざわざ食事でお腹を満たそうとはしなくなる」など、思わず納得してしまうような話が盛りだくさん。
自分のココロのこととはいえ、奥底にしまった気持ちを汲み取り、それを上手にコントロールすることは難しい。ましてやそれをダイエットに活かすとなると、かなりの根気が必要だろう。本書はそうした、ココロを変えるためのメソッドが体系的にまとめられている。ある意味、流行りのダイエット法よりも実用的な一冊だ。
文=松原麻依(清談社)