レスリー・キーが俳優・池内博之のヌードを撮り下ろし! 『美術手帖』4月号は美しい男のハダカ特集
更新日:2017/11/15
「ヌード」といえば女性のハダカを連想する人が多いかもしれないが、「男性ヌード」を特集した『美術手帳』4月号が2016年3月17日(木)に発売された。
巻頭グラビアを飾るのは、ライフワークとして男性ヌードを撮り続けるレスリー・キーと野村佐紀子の写真。レスリー・キー撮影による俳優・池内博之の肉体美、野村佐紀子がとらえる男同士の関係性、そして美術史上の男性ヌードの数々を盛り込んだ、様々な欲望を映し出す、美しい男のハダカ特集となっている。
レスリーが男性ヌードの撮り下ろしを発表するのは3年ぶり。一方、荒木経惟に師事した野村佐紀子は、ボーイズラブ的関係性を想像させる、細身の男性同士のハダカを美しく表現。さらに川島小鳥や森栄喜ら若手フォトグラファー、アーティストの男をテーマとした特別フォト・ジン「OSSU」も見所だ。
西洋美術史をひもとけば、古代ギリシャ以来、同性愛/異性愛者それぞれの欲望を反映した男性ヌード像が多数つくられてきたことがわかる。日本でも『薔薇族』に代表される、ゲイ・アート文化の歴史があったことを、男性の同性婚をテーマとする漫画『弟の夫』の作者、田亀源五郎が語っている。
こうした「見られる」存在としての男性ヌードが語られるようになった背景として、TVコメンテーター・著述家の湯山玲子とBL評論家の金田淳子は、見る側=女性の社会的立場の変化があると語っていて興味深い。LGBTや同性婚の問題が話題にのぼるようになった昨今、「男性ヌード」というイメージをとらえ直すことは、社会における潜在的なバイアスや価値観の違いを意識するきっかけになるかもしれない。
■『美術手帳』4月号
編:美術手帖編集部
価格:1,600円(+税)
発売日:2016年3月17日(木)
発行:美術出版社