【寝る前、閲読注意!】今話題の「WEB発・サスペンスマンガ」5選!

マンガ

更新日:2016/3/23


『リセット・ゲーム』(吉開かんじ/GANMA!にて連載中)

 数あるマンガの中でも、ここ数年盛り上がりを見せているジャンルが、“サスペンス”ではないだろうか。デスゲーム、密室脱出、大量殺人、怪異襲来……。こういった設定をフックにした作品はとても刺激的で、だからこそ、マンガに“非日常感”を求める読者からの圧倒的な支持を集めている。その中でも注目したいのが、“WEB発”の作品。紙媒体に比べ冒険している作品が多く、これから来るのではないかという気配が濃厚なものばかりなのだ!

 「裏サンデー」に掲載された第0話が物議を醸し、異例の掲載中止となってしまったのが『辱(にく)』(窪茶)。現在はアプリ「マンガワン」にて第1話、2話まで公開されているが、物語のプロローグとなる第0話については未掲載のまま。カニバリズムを思わせる人肉解体がテーマになっているため、苦手な人は回避した方が身のためかも。美少女×スプラッターという設定自体は、『ひぐらしのなく頃に』や『School Days』などの前例もある通り大きな人気を集めそうだが……。

 『人形峠』(方條ゆとり+望月菓子※GANMA!にて連載中)は、よりホラー色の強い作品。農村体験で山奥の村を訪れた高校生たちが、謎の怪異に襲われるという王道ホラーだ。村人たちが必死に何かを隠しており、その謎の一端が明らかになる第3話のラストは衝撃的。夜中には読まない方が賢明。

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 また、サスペンスでありながらも、少し考えさせられるのが『パペラキュウ』(松永豊和 ※個人サイトにて連載中)だろう。この「パペラキュウ」とは“顔に手足が生えてしまう”という謎の伝染病のこと。本作は生まれながらにその病を患っているサチオと、一般人・マモルとの友情を描いているのだが……、ほんわかした絵柄とは正反対に、暴力・グロ描写がなかなかエグい。しかし、読み手に「差別」の是非を問う内容は、一読の価値ありだ。

 人気のデスゲーム系といえば、『サツリクルート』(MITA:原作、吉宗:作画/マンガワンにて連載中)。悪魔にある能力を与えられた主人公・蓼丸カズヤが、落ちたら死んでしまう“就活バトル”を勝ち抜いていくというストーリーだ。特筆すべきは、その突飛な設定。“就活”とデスゲームを組み合わせた異色の世界観が、飽和状態だったデスゲーム市場に新風を吹かせている。

 これらのサスペンス系マンガの中でも、今イチオシなのが、『リセット・ゲーム』(吉開かんじ/GANMA!にて連載中)だ。本作は開始早々、映画『CUBE』を思わせる理不尽な展開が胸を熱くさせる。気がついたら得体の知れない場所に閉じ込められていた。脱出する手段はわからない。しかし、このままここにいたら死んでしまう……! 密室脱出系が好きならば、きっとハマってしまうだろう。

 時折現れる脱出へのヒント。主人公・聖一をはじめとする登場人物たちは、それを手がかりに必死で足掻く。万が一ミスをした先に待っているのは、無情な死だけ。そんな極限状態に追い込まれた面々は、次第に争いはじめ、疑心暗鬼に苛まれる。けれど、本作で強く描かれているのはそういった人間の負の側面ではない。どんなに追い込まれても諦めず、互いを信頼し合うことの大切さ。絶望の中にも、必ず光はあること。本作は、そこを強く訴えかけている。それが、作者・吉開さんのメッセージなのかもしれない。

 とはいえ、こういった作品のキモとなる「裏切り」描写も忘れていない。読み進めていくと、「まさかこの子が……!」と目を疑うシーンが何度もあった。はたして全員無事に脱出できるのか、それともひとり残らず死んでしまうのか。非常に続きが気になる! ちなみに、3月23日(水)には待望の第1巻が発売されることに。密室脱出劇のはじまりを、ぜひ読んでみてほしい。

 こうしてみると、個性的な作品ばかりのWEB発・サスペンスマンガ。スマホで手軽に読めるのがうれしいところだが、寝る前に読むのは要注意。気がつけば朝になっていた……なんてことになっても知りませんからね!

文=五十嵐 大

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