入社何年目? そろそろフリーになって、本当の自由を掴んでみない? 真のフリーランスになる極意

ビジネス

公開日:2016/4/4


『フリーで働く!と決めたら読む本(日経ビジネス人文庫)』(中山マコト/日本経済新聞出版社)

 サラリーマンなら、誰しも一度は思ったことがあるのではないだろうか。

「企業に属さず、フリーで働いたら、もっと人生が豊かになるんじゃないか?」と。

 しかし現実は甘くない。一歩踏み出すのにも勇気がいる。安定を失うことは、誰しも怖いことなのだ。

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 それでも、本気で「フリーで働こう!」と決心した方には、必ず読んでほしい一冊がある。

フリーで働く!と決めたら読む本(日経ビジネス人文庫)』(中山マコト/日本経済新聞出版社)は、「なんちゃってフリーランス」ではなく、真の自由を手に入れた「プロフェッショナルフリーランス」になるための極意を教えてくれている、フリーランス志望者は一読すべき一冊だ。

「プロフェッショナルフリーランス」は、自らの人生に主導権を持つ「自由」を手に入れた状態であり、「なんちゃってフリーランス」とは、その反対。主導権がなく、独立起業したものの、資金繰りや業務のせいで、会社員でいた時より精神的にも時間的も「不自由」になってしまう状態だ。

 著者は「キキダス・マーケティング」という独自のマーケティングブランドを展開する広告、販促プランナー兼コピーライター。

 彼の生活は、ビジネスパーソンが非常に憧れる仕事スタイルと言えるだろう。

 まず、「本当に好きな相手と、気心の知れた気持ちのよい相手と、本当にやりたい仕事だけをやって生きていく」ことを目指し、実践している。「仕事内容」も「お客様」も徹底的に「選ぶ」。会社に所属していたら、中々そうはいかない。

 また、時間管理も羨ましいものだ。

 著者は基本、午前中にしか「考える仕事」「書く仕事」はしないそう。(しっかりとした理由があるのだが、割愛する)。午後は食事も兼ねて外出。人と会ったり、店、施設を見たり映画を観たりして、インプットの時間としている。

 そして夕方の6時半を過ぎると、一切の仕事、打ち合わせはしないそう。それでいてサラリーマン時代の年収以上の成果を得て、今なお仕事をし続けていけるのだから、著者は真の「プロフェッショナルフリーランス」なのだ。

 こんな「自由」を手に入れるためには、一体どうしたらいいのか。

 その極意が、惜しげもなく紹介されているのが、本書なのである。

 実に多くの「フリーランスへの道」が、具体的に著述されているので、一つ一つを追っていくことはできないが、著者は「『何となく皆がやっていることの逆』をやってみた」と述べている。そして「私が自ら実践し、成果を確認したこと」「失敗しないための方法だけを網羅」したものだそうだ。

 ここで「じゃあ、とにかく会社を辞めてから、この本を読もう!」と思った方、ちょっと待ってほしい。

 実は、「会社を辞める前」から「プロフェッショナルフリーランス」になるか、「なんちゃってフリーランス」になるかの別れ道が既にある。

 まず、企業戦士の時代から「名物社員」になることが必要なのだという。フリーランスには独自の「専門性」が必要だ。そこで「この仕事なら誰にも負けない!」と自他共に認められるような「専門性」を持ち、社内でも有名になるくらいでなければ、フリーランスにはなれない。

 そしていざ独立しようとした時、会社から「辞めないでくれ!」と言われるほどの人材になっていることが大切だという。

「レベルが高過ぎる……」と思った方は、フリーランスを諦めた方がいいかもしれない。著者も「フリーランスって大変なんだよ、安易に考えたら大やけどするよ」と忠告している。

 それでも、「自分の人生の主導権は自分で握りたい」とフリーランスを目指すのなら、この本を手に取ってみてほしい。

文=雨野裾