ひよこ鑑定士、大道芸人、YouTuber…。気になる給料は? 仕事内容は? 日本の「企業戦士」を紹介!
公開日:2016/4/5
ライターなどという稼業をやっていると、たまに「こんな不安定な仕事、いつまでやれるのやら」と思うことがある。そういう時は決まって就職先を探したりするのだが、結局はライターしかできない自分というものを再認識して終了というオチがつく。天職なのかもしれないが、果たして本当にそうなのか? もっと自分に合った職業があるのではないか? 世間知らずであるがゆえに、この世で自分に相応しい仕事があるにもかかわらず、それを知らないだけなのだとしたら……。
そんな風に思ったことがあるのは、私だけではないだろう。では現社会にいかなる職業があるのか、手っ取り早く知る方法はないのか。実は、ある。それを叶えてくれるのが『日本の給料&職業図鑑』(給料BANK/宝島社)だ。この書籍には日本で就業可能な職業が、メジャーマイナー、ジャンルを問わず多数収録されている。仕事を8つの系統に大別し、各職業の業務内容や給与などのデータを掲載。概要を簡単に理解することが可能だ。その職の就き方にも言及しているので、まさに自分に合った仕事を見つけるのに最適な指南書ともいえる。
では実際、どのような職業が取り上げられているのか。前述した8系統の職種は、「IT系」「士業・コンサルティング系」「公務員系」「芸能・芸術系」「土木建築・体力・スポーツ系」「医療・介護系」「飲食・サービス・ファッション系」「その他」である。IT系が最初に登場するのは、やはり時代の流れというところか。
掲載されている職業は「WEBプロデューサー」や「弁護士」をはじめ、「声優」など幅広い分野をフォローしている。面白いのはかなりマイナーなものまで取り扱っていることだ。例えば「ひよこ鑑定士(正式名称は「初生ひな鑑別師」)」。これは養鶏場において、ニワトリの雛のオスメスを判別する仕事だ。鑑定士の資格は公益社団法人畜産技術協会の養成講習を受講し、鑑定士の資格を得るのだという。判別のスピードと精度が問われる、かなり過酷な仕事のようだ。それゆえか、初任給も29万円と結構高く設定されている。
他に変わったところで目に付いたのは「大道芸人」。路上や大きな公園などで見かける、路上パフォーマーたちのことだ。有名な芸人になると海外の大きなコンテストやコンクールなどに入賞し、実力を認められているらしい。基本はアルバイトをしながら、休日にパフォーマンスを披露する。スキルがあれば誰でもなれるが知名度で収入も変わり、平均収入は月25万円程度のようだ。
ちょっとイマドキなジョブといえそうなのが「YouTuber(ユーチューバー)」だ。これは動画サイト「YouTube(ユーチューブ)」に、自身で動画を作成し、アップするという仕事。ゲームのプレイ動画やペット動画など、何を作ろうが個人の自由だ。どうやって収入を得るかといえば、主に広告収入。動画にアフィリエイトなどの広告を表示したりすることによって、再生回数や広告数に応じた収入が得られるという。有名なユーチューバーは月に1000万円以上稼ぐとか。いかに面白い動画を作れるかが成功のカギだ。
ちなみにこの本は、「給料BANK」という日本の職業や給料をRPG風のイラストで紹介したインターネットのサイトを書籍化したもの。当然ながら、収録されていない職業もサイトには載っていたりする。我が職業たる「ライター」も書籍未収録だが、サイトには存在した。そういう意味では、改訂版とか2016年度版のような展開があるのかもしれない。その際、もし「ライター」の項目を載せることがあるなら、「悪いことは言わない、他を探せ」とでも書いておいてもらえたら、参考になるのではなかろうか……。
文=木谷誠