地方在住・33歳独身OL、年収300万円で貯金1000万円! ケチケチしない節約ライフ

マネー

公開日:2016/4/8


『ケチケチしないで1000万円貯金しました 三十路OLのゆるゆる節約ライフ2』(ハイシマカオリ:画、横山光昭:監修/宝島社)

 貯金をするには節約が必要不可欠。そんなイメージがある。もちろん、収入や家族構成、生活スタイルが違えば、貯金額も節約度合いも違ってくるだろう。「何もしなくても貯金が増えていく」という方もいるとは思うが、多数派ではないと思われる。不況を経験し、超高齢社会といわれる日本では、「貯金はあればあるほど安心」と考える人も増えているのではないだろうか。

 節約をして今よりも出費を減らすためには、何かを我慢することになる。でも、我慢しすぎると楽しみも減ってしまうし、何のために働いているのか分からなくなってしまう。そんなジレンマに陥り、結局貯金額は増えないまま…という方もいるだろう。

 そんな方は、『ケチケチしないで1000万円貯金しました 三十路OLのゆるゆる節約ライフ2』(ハイシマカオリ:画、横山光昭:監修/宝島社)を参考にしてみてはいかがだろうか。

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 著者はブログ『干物女の家計簿』のハイシマカオリ氏。30代半ばで独身、地方で一人暮らしをしている。会社勤務をしながらイラストレーターとしても活動しているが、会社の年収は300万円台。そんな彼女が、29歳と5ヶ月で貯金500万円、33歳10ヶ月で1000万円を達成する。これが2013年で、2016年現在、貯金額はすでに1500万円を超えたという。

 では、貯金を増やしていくために大切なポイントとは何なのだろうか?

「自分」を知ること

 節約の基本は収入・支出を知ること。すると、自分のお金の使い方や生活スタイル、価値観といったものが見えてくる。例えば洋服。気に入って購入したが結局あまり着なかった、というものはないだろうか。お気に入りの洋服でも、自分の生活スタイルだと活躍しないこともある。

 また、著者は食費を抑えたい時でもカップラーメンは食べない。栄養バランスが偏っているため、すぐにお腹が空いてしまうからだ。バランスの良い食事をすれば満腹感が得られ、食事の量が抑えられるため、節約につながる。さらに健康にも良いとなれば、一石二鳥なのだ。

 このようにして、自分が本当にお金をかけたいところ、かける必要のあるところを見極めよう。そして、それ以外の部分を節約する。その結果、無駄な出費が減り、必要以上に我慢しなくても、貯金ができるというわけだ。

継続こそ力

 貯金額が1500万円を突破した著者だが、それなりの時間をかけて、コツコツと貯金をしている。その中で、自分に合った無理のない節約方法を見つけてきた。例えば、お金の流れを知るために必要な家計簿。毎日細かくきっちりとつけようとすると負担になるため、レシートだけ取っておき、3日に1回程度、思い出した時に記録している。ブログで家計簿を公開したのも、モチベーションを保ち、続けられるようにするためだ。

 会社の給料以外の収入源として、アフィリエイトやポイントサイトで収入を得ている著者だが、30歳くらいの時には月3万~5万円程度だったのが、現在では月10万になることもあるそうだ。

 タイトルにある「ケチケチしない」も継続するためのポイントだろう。著者によれば「節約は楽しく暮らす知恵」。無理をし過ぎず、好きなことを楽しみながら、普通に生活していくことが大切なのだ。

 本書には、30代の等身大の女性の節約生活だけではなく、ファイナンシャルプランナーからのアドバイスも盛り込まれている。どちらも分かりやすく参考になる情報ばかり。節約したいと思いつつ、実行に移せないでいる方や、節約に疲れ、もっと無理のない節約方法を見つけたい方はもちろん、差し迫った必要性はないが興味はある、という方にも幅広くオススメしたい一冊だ。

文=松澤友子