「アンフェア」原作者が三重県桑名市を舞台に青春ローカル小説に挑む!

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/15

 ドラマ・映画「アンフェア」の原作となった“刑事・雪平夏見”シリーズの著者・秦建日子が書き上げた桑名市が舞台の青春ローカル小説『KUHANA!』が、2016年3月30日(水)に発売された。さらに、同書を原作とした映画化も決定しており、桑名市が今、盛り上がりを見せている。

三重県桑名市。廃校まであと1年の小学校にJAZZバカの先生がやってきた。退屈な毎日と家の手伝いから抜け出したい子どもたちは、急遽「ジャズ部」を作ることに。一方、町の雇用を支える蛤サプリの工場が経営不振から大規模なリストラを行うことになり、大人たちは大モメ。親たちの事情に振り回されて悩み、慣れない楽器に悪戦苦闘しながらも子どもたちはJAZZの楽しさに目覚め、やがて…。笑って泣けて、ちょっとしんみり。元気が出ること間違いなしの青春ローカル小説―。

発端は、「桑名を元気にするために、映画を作れないか?」という、市民有志の会での誰かのつぶやき。その中にいた友人から秦は映画製作の相談を受け、市を訪れる。その後何度も桑名を訪れ、町を歩きまわり、名所旧跡を訪れ、人々と話し、名物料理に舌鼓を打ち、酒を酌み交わす中で、「桑名」の魅力に惹きこまれていった。小説の中には、自らの体験を通して知った「桑名」がふんだんに盛り込まれている。同書の後半には、著者の実体験に基づく、著者ならではの切り口で綴ったスペシャルエッセイ「監督、三重を行く」が単行本限定で収録。

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また、「敢えて地方から発信し、やがて全国へ」という考えのもと、桑名市内をはじめ、三重県書店商業組合ほか東海地区の多くの書店が協力し、新たな試みに挑戦。数々のベストセラーを輩出している小説家の作品が、ほぼ地方限定で発売されるというのは極めて異例のことだが、初版の大半は、桑名市を中心とした東海地区限定で発売される。同書を通して、美しい情景描写とともに新たな切り口から見た桑名の魅力や情報など、身近にある魅力満載の観光地として再認識できるはず。

さらに、映画「KUHANA!」が、2016年9月3日(土)からイオンシネマ桑名、津、東員、名古屋茶屋など東海地区から公開予定。ますます活気づく桑名市に注目したい。

■『KUHANA!
著:秦建日子
価格:1,400円(+税)
発売日:2016年3月30日(水)
出版社:河出書房新社