突然ですが、皆さんはお金が好きですか？ 「はい、好きです！」と即答できる方もいれば、 「キライじゃないけど、大好きかって聞かれると…」と答えに詰まる方も多いのでは。大切な存在なのにちょっと悩ましいパートナー、それがお金。

　お金にはとてもシンプルな法則があると説くのは『ワタナベ薫　お金の格言』（大和出版）の著者ワタナベ薫氏。本書では39の法則が“格言”として読みやすく紹介されています。お金との関係を見直して人生をワンランクアップできたら素敵ですよね。それではお金についてのお悩みQ＆Aの形で格言をいくつかのぞいてみましょう。

お悩み1：お金の話をすること自体に抵抗がある

「清貧」という言葉もあるし、お金のことを面と向かって話すのはちょっとはしたない気がするのもわかります。でも、こんなお悩みにワタナベ氏はさわやかに回答します。

【法則8】「『ケーキ大好き！』『旅行大好き！』って言えるのに、『お金大好き！』って言えないのはなぜ？」

　ケーキや温泉が好きなことを非難する人はいませんよね。ワタナベ氏は「ケーキも旅行もそしてお金も、日常生活を彩ってくれる当たり前にある存在。そう考えれば、“好き”を表明することに、何ら躊躇を覚えないはずだ」と記します。そしてなにより怖いのは、お金への抵抗感。「お金に対する違和感やモヤモヤは（中略）あなたとお金の良好な関係性を阻むブロックとなっている」とワタナベ氏は注意を促します。

お悩み2：お金儲けにこだわるって、なんだか自分の得だけ優先するジコチューな行為な気がして…

　昔話でも、なぜか金持ちじいさんは悪者で、貧乏じいさんは善人なのがテッパンですね。それに対し、ワタナベ氏は、

【法則10】『世界一愛している人の笑顔を思い出してみて　お金はその人の笑顔を増やしてくれるサンタクロースなんだ』

　と回答。

　ワタナベ氏は、世間でよく耳にする一見控えめな発言を一刀両断します。
「『お金なんてなくても慎ましく暮らせればそれでいい』というほうが、利己的に聞こえるくらいだ。つまりそれは、『他に廻す必要はありません。自分だけ満たされればそれでいい』ということだからだ」
　と。

　今まで私にはこの発想はありませんでした。たしかに自分も周囲も幸せにできたほうがよりハッピーですよね。つまり、お金は幸せの輪を広げるツールであるということ。さらに「お金はあなたが送り出したものに準じて入ってくるようになっている」とも。だから胸を張ってお金を得ましょう。それは提供した価値への正当な対価なのですから。

お悩み3：お金が好きになりました！　どう行動すれば豊かになれるの？

　お金に対してポジティブになれたあなた。では実際どうしたらいいの？　嬉しいことに、そのコツはいたってシンプル。

【法則13】『お金ほど、思い通りに動くものなし！』

「お金はエネルギーなので（中略）本人が発するエネルギーと同じ動きをする」とワタナベさん。「お金は、入ってくると思っていれば入ってくる。なくなる！と思えば、なくなる」といいます。だから大切な恋人のように「信頼して愛していれば、相思相愛の関係になれる」
と説きます。

　そして究極の奥義ともいえる格言がこちら。

【法則39】『豊かになる最短最強のメソッドは　与えて、与えて、与えること　これに勝るものなし　お金がない人ほど与えること』

「そんな余裕ないしムリ！」と思ったアナタもご安心を。大事なのは感謝の念を乗せてお金を送り出すことだそう。与えたものは与えられるという法則で、少しずつの積み重ねが気づけば豊かな流れとなっていきます。できることをできるだけで大丈夫。

　いかがでしたか？　いまでこそ、1日あたりのブログ訪問者数9万人、著書の累計は55万部突破と、メンタルコーチとして大成功を収めているワタナベ氏ですが、以前は1カ月10万円でのやりくりに四苦八苦の毎日だったそう。すべての法則は、そんな自らの経験からつかみ取った成果だからこそ具体的で明快なのです。お金を認めることは自分の素直な望みを認めてあげること。本書を手に取って、もっと自由に豊かに過ごしてみませんか。

文＝桜倉麻子