「偉い人とアポがとりたければ朝イチ指定」「マンネリ脱出には早朝デート」結果はすべて”朝”で決まる!
公開日:2016/4/20
昔から「早起きは三文の得」と言われるように、いまどきは始業前に勉強や趣味などをこなす「朝活」もメジャーになってきた。睡眠でリフレッシュしてチャレンジしたほうが気分もいいし、集中できて効率もいいなど、早起き派には多くのメリットがあるという。
だがしかし、これまた「言うは易く行うは難し」で、早起きを習慣化するのは案外ハードルが高い。一体、早起きにコツはあるのだろうか? そんなお悩みにヒントを与えてくれるのが『人生の勝負は、朝で決まる。「結果を出す人」が続けている52の朝の習慣』(千田琢哉/学研プラス)だ。
まず飛び込んでくるのは、「『遠足の日』のように、毎朝がドキドキの人生を歩もう!」のメッセージ。幼い頃、遠足の前夜に楽しみすぎてなかなか寝つけず早起きまでしてしまった経験、あなたにもないだろうか。著者によれば、それこそが早起きの極意。「目覚めが悪いのは嫌いなことをやっているから。大好きなことをして生きれば朝が早くなる」というのだ。
確かにこれまでの早起き術は、早起きのメリットを意識することで意志を固くするのが主流だった。それに対し「意識すべきは現状の満足度で、そこが高まれば仕事が楽しみで自然に目は醒める」と本書。つまり早起きは人生を充実させる「手段」ではなく、人生の充実度の「結果」と発想転換するわけで、「『早起きすれば成功できる』のなら、新聞配達の人たちは今頃、全員大富豪になっているはず」とバッサリ切り捨てるのも印象的だ。
さらに興味深いのは、この本に紹介されているリアルな「朝の成功法則」の数々。曰く「謝罪・仲直りをするなら朝」(朝は誰でも感じがいいし、怒りの感情も準備していないので、つい許してしまう)、「早朝のメールはエグゼクティブにウケがいい」(エグゼクティブには早朝派が多くアピールになる)、「偉い人とアポがとりたければ朝イチ指定」(偉い人の午後はアポで埋まっている。チャンスは工夫して得る)など、著者の実体験をベースにしたアドバイスは実に生々しく、つい納得してしまう。
中には「マンネリ脱出には早朝デート」(早朝の静かな環境は「世界に二人だけ」のような感覚になり刺激的)など恋愛テクニックもあり、「夜の暗さで(厚化粧)はごまかせても、朝の光の中ではごまかせない」「朝の相手が愛せないなら、その人とは結婚しないほうがいい」(その人のありのままが露呈する寝起き姿を許せなければ本物の愛ではない)など思わずドキリとする指摘もある。
ちなみに著者の千田氏はサラリーマンから独立、3300人のエグゼクティブと1万人を超えるビジネスパーソンたちとの対話で培った知見を多数の本に著してきたという人物だ。その数は累計で220万部突破、本書は114冊目の本というから驚きだが、聖人君子的というよりどこか人間くさく、説得力のある強気の語り口にはファンも多い。この本にも「生活が格段に好転し、毎朝起きることが楽しくなった」と多くの反応がよせられているそうだ。
まずは発想転換から始まる自発的な早起き術。そしてそれが生み出す人生改善の法則は、知っておいて損はないかも。
文=荒井理恵