自由で美しいLAの女性から学んだ、自分を好きになる生き方
公開日:2016/4/21
ずっとこのままでいいのかなあ。
そんな漠然とした不安や焦りを、誰もが人生で一度は感じたことがあるんじゃないかなと思います。私って全然成長してないな、もっと丁寧に健やかに暮らしていくにはどうしたらいいんだろう、ほんの少しでいいから今より理想の自分に近づきたい…。泣くほど嫌なことがあるなら奮起して変わることもできるけど、なんとなく物足りない気持ちをどうにかするのは案外難しくてもてあましがち。そういう時は、お手本を見つけるのが一番効果的だと思います。人生における「あとほんのちょっと」を求めている人におすすめなのが『気持ちいい毎日を生きるLAスタイル』(平野宏枝/双葉社)です。
これ、“LA暮らし”ではなく“LAスタイル”というところがミソ。スタイルならばどこにいても真似できるし始められる。日常を一変させる必要なんてどこにもなくて、ただほんのちょっと憧れた部分を、自分の暮らしに取り入れていけばいいのです。
人が行き詰まるのはたいてい余裕のないとき。こうあるべきと自分で自分に負荷をかけすぎてしまったり、人にどう見られているか気にしすぎてしまったり、忙しすぎてのんびりする時間を持てずにいたり。そうこうしているうちに笑顔が消えてどんどん自分を好きになれなくなっていく。その悪循環は著者自身も経験したことで、だからこそ今から抜け出す方法を優しくシンプルな言葉で教えてくれます。
たとえば「人のために、自分を犠牲にしない」。LAではベビーシッターを雇って夫婦で出かけるのは当たり前のこと。自分の時間を大事にするのが人生の豊かさにつながると感じる彼女たちは、そのぶん自分以外の誰かを大切にすることができるのだと著者は言います。「こんなに我慢してやってあげてるのに!」と人に合わせて爆発するのではなく、自分を大切にすることで相手のことも思いやれるのだと。
「歳上の女性にいつまでも輝き続ける美を学ぶ」では、若さでは太刀打ちできない年齢を重ねた魅力について語っています。そんな、もしかしたらちょっと近寄りがたい大人の女性に近づくにはどうしたらいいか? 特別なコミュニケーション術なんて不要。それよりも大事なのは、人と出会っていくときの姿勢だと著者は言っています。
本書に書かれているのは外国仕込みの何かではまったくなくて、LAで自分らしく生きる女性たちをお手本に著者自身が見出したライフスタイル。行間から漂うLAの風を感じながら、心の隙間を埋めるためのヒントを見つけてみてはいかがでしょう。
文=立花もも