『ゆるゆり』 なもりさん大感激! 漫画家になるきっかけとなった憧れの人との対談が実現
公開日:2016/4/27
4/20に『老少女的ひなたちゃん(2)』(ノース・スターズ・ピクチャーズ)、4/27に『どくろさんが見ている』(KADOKAWA)と、連載作品のコミックスが立て続けに発売された漫画家・桑佳あささん。
それぞれ、88歳のおばあちゃんの記憶を持ったまま生まれ変わった幼稚園児だったり、入学直前にガシャどくろにとり憑かれてしまった女子高生だったり、一風変わった設定のショートコメディです。
これらの発売を記念して、『ゆるゆり』(一迅社)の著者であり、桑佳さんの大ファンでもある、なもりさんとの対談企画が実現! お二人が得意とする「日常系ショートコメディ」について、その魅力などを語っていただきました。
桑佳先生の描かれる裸足とかめちゃくちゃかわいくて、撫でたい衝動に駆られます(笑)
――なもりさんは、以前から桑佳さん(※当時の名義は藤野もやむ)のファンだったとお聞きしました。
なもり あまり公表したことなかったような気がしていたので、編集さんからメールを頂いて本当に驚きました。どなたからお聞きしたんですか?
――コミックCUNE編集部にお二人の大ファンがいて、どこかでそんな噂を聞いたそうで、じゃあ本人に直接確かめようということで、今回の対談企画が生まれたんです。
なもり わかっちゃうものなんですね(笑)
(一同笑い)
――桑佳さんは初耳ですか?
桑佳 いえ、以前、私の作品の同人誌に描いていただいたことがあって。
なもり そうなんです。藤野もやむ作品の同人誌、いわゆる合同誌みたいなものなんですが、そこで少し描かせていただきました。出来上がった後に先生に贈られたと聞いて、あ、読まれてしまったのかなと(笑)。
桑佳 読ませていただきました(笑)
――なもりさんはいつ頃、桑佳さんの作品に出会ったんでしょう?
なもり 中学生の頃に学校帰りに本屋さんへ寄って、たまたま目にとまった桑佳先生の短編集(『あの日見た桜』)をジャケ買いしたのが先生との出会いでした。読んでみて、本能的に?直感的に?、「この作家さんの作品をたくさん読まなきゃ」と思いましたね。
そしてすぐに『まいんどりーむ』や『ナイトメア☆チルドレン』を買い集めて、以降ずっと桑佳先生の作品のファンです。桑佳先生の描かれるお話、キャラクター、セリフ、イラスト、すべてが大好きです。魅了されるというのは、こういうことなんだろうなと思います。
――ひと目ぼれってやつですね。では次に桑佳さんにお聞きします。『どくろさんが見ている』は、ガシャどくろと、それにとり憑かれた女子高生という変わった設定ですが、この作品が生まれたきっかけは何だったのでしょう?
桑佳 ネタ出しというか、いろいろ昔の落書きを発掘して担当さんに送ったんですよね。その中で、担当さんに「これ気になる!」って言われたのが、女の子のうしろにでっかいどくろがいるっていう1枚絵でした。
――その絵を描いた時点で今のストーリーの構想みたいなものかあったんでしょうか?
桑佳 このイラストを描いていたときは、全く違う話を考えていました。実は、もっとシリアスなストーリーものの予定でしたし、もうちょっと変な設定もあったりしたんですが、4コマ漫画にするにあたって、そのへんをけずったり、変更したりしました。
――シリアス……? 今はコメディですからだいぶ変わりましたね。驚きです。
桑佳 人外と少女のカップリングものがいい、とパッと見の印象で言われたので、コンセプトをそちらに寄せていった形ですね。
――1巻を拝見させていただいたのですが、なぜどくろが主人公ナミにとり憑かれたのか?とか、どくろは一体どこから来たのか?とか全く明らかになってませんよね。これは意図的?
桑佳 そうですね……、書いた方がいいんですかね?(笑)
(一同笑い)
――特に意識してなかったと(笑)。逆に、そのおかげで今後お話がどう進むのか予想できない面白さはありますね。なもりさんはこの作品をご覧になってどう感じましたか?
なもり 先生が4コマというのがイメージになかったので、すごく楽しかったです。コミックCUNEの中でも、どくろさんみたいな設定のお話ってめずらしいじゃないですか。目を引くなぁと。
――4コマということで、通常の1話30~40ページで見せていくストーリー漫画を描いていくのとは違った難しさみたいなところはありますか?
桑佳 そうですね。4コマだとページをめくって「あ!こうなるんだ」というような演出ができないところが、意外と難しいですね。目標としては、1話の中にぼんやりとした流れはありつつも、4コマずつ区切らなきゃという思いがあって、そのあたりをどう見せるかということでしょうか。
――なるほどストーリー漫画にしか使えないテクニックって結構ありそうですもんね。他の先生の4コマ漫画なども参考にしますか?
桑佳 はい。こんなふうに描くんだなぁと思いながら見ています。
――逆になもりさんは、ショートコメディを得意とされているように思うのですが、このへんどう思いますか?
なもり 『ゆるゆり』は毎話完結なので、似たような話が連続してしまわないように、バランスに注意しています。いつもよりも百合感のある話を描いてみたり、「ん!?」と思ってもらえそうなネタをあえて入れてみたり、毎話新鮮な気持ちで挑めるのがショートコメディの楽しいところですね。
逆に、30ページ以上のストーリー漫画は描いた経験があまりないですが、今後なにか挑戦したいねという話はしています。『ゆるゆり』は毎回12ページの構成になっていますが、とくにページ数に縛りがあるわけではないので、30ページの『ゆるゆり』を描いてみるのも楽しそうだな~とも考えています。
――桑佳さんは『ゆるゆり』をご覧になったことはありますか?
桑佳 はい、あります。かわいい女の子ってこう描くんだなと思いました(笑)
――桑佳さんの作品に登場する女の子もだいぶかわいいと思うのですが(笑)
桑佳 あまり、かわいさを意識してないというか、女の子だからかわいく描こうとは思わないというか。
――かわいいがテーマの4コマ誌である「コミックCUNE」では異色ですね(笑)。なもりさんは、女の子を描く際にかわいさを意識したりはするのでしょうか?
なもり そうですね。表情とか、しぐさとか、髪の毛の動きとか、パッと見でかわいいと思っていただけるように描いています。個人的に目と髪は描いていて特に楽しいポイントですね。ぶわっとなびく髪とか服とか好きです。あとは2次元でも3次元でも、女の子の足を見るのが幸せです。桑佳先生の描かれる裸足とかめちゃくちゃかわいくて、撫でたい衝動に駆られます(笑)
(※クリックすると大きな画像で見られます)
――男性と女性では女の子のかわいさのポイントが違うような気もするんですが、お二人はどう思いますか?
桑佳 私は、柔らかそう女の子が好きです。なもりさんの描く女の子は柔らかそうですよね(笑)。
なもり 私は、女の子を描くとき男性目線、女性目線みたいなものは特に気にしないですね。あえて言うなら真ん中くらいの意識で描いています。たとえばセーラームーンのように、男女どちらにも受け入れてもらえるような絵が描けるといいなと。
――例えば少女漫画を描く場合、女の子の描き方について具体的なリクエストが来たりするのでしょうか?
桑佳 女性については特にないですね。むしろ少女漫画だと男女の体格の違いがはっきり出た方がときめくことが多いと言われました。背丈だけでなく、男性の方をあえて角ばったり骨っぽく描く感じですね。
――なるほどですね~。一方、百合系の作品ではどうなんでしょう?
なもり 百合のイラストだと、女の子の目線は読者に向けない方がよいというか、女の子同士が向かい合っている方がよいと言われます。二人の世界であることを意識してもらうためですね。
桑佳 そっちの方が禁断感というか覗かせてもらっている感じが出ますよね(笑)
なもり 『ゆるゆり』のコミックス表紙イラストは、キャラクターがこっちを見ているタイプなので、「百合姫」作品の中ではめずらしい方だと思います。
――話は変わりますが、「コミックCUNE」も創刊したりと、日常系のショートコメディや4コマ漫画があらためて注目されていると思います。これらの魅力ってなんだと思いますか?
桑佳 気軽に読めるところが一番よいんじゃないかと。ストーリー漫画より入りやすいですし。
なもり リラックスして読めるのがうれしいですね。あとは普通のストーリー漫画では描かれないような、キャラクター同士の本当に些細な会話ややりとりをじっくり楽しめるのが素敵だなと。第一話から読まなくても、途中からでも気軽に読めるところも魅力ですよね。
――確かに手軽に読めますね。ネットでもTwitterなどよく見かけるようになりました。では、次が最後の質問です。桑佳さん、なもりさんそれぞれに今後期待したいことを教えて下さい。
桑佳 先ほど長いストーリー漫画を描くかもしれないと仰っていたので、それが純粋に楽しみです。
なもり 尊敬している桑佳先生にそんなことを私が言うのはおこがましい・・・! 先生の描かれる世界が大好きなので、どんな作品でもすごく楽しみですね。これからもずっと先生の大ファンです。
――ありがとうございました! ちなみに今日はじめてお会いしてお互いの印象はどうでしたか?
桑佳 なんか緊張が伝わってきました(笑)
なもり いや今も緊張しています(笑)
(一同笑い)
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桑佳 あさ/KADOKAWA
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