年収1000万円でもお金を貯められない!共働き夫婦の意外な落とし穴
公開日:2016/5/1
20代、30代の若い夫婦にとって、「これからかかるお金」の問題は切実です。ますます不確実な将来のために少しでも多くお金を貯めておきたい、でもなぜかなかなか貯まらない……。そんな「貯まらない夫婦」には、共通する「パターン」があるようです。
年収と貯蓄額には関係がない
収入が多ければ貯蓄もたくさんできるはず。あたりまえの話のようですが、実情は違います。
「これは、ハッキリといえることなのですが、貯蓄の金額と年収は比例しません」
こう断言するのは、ファイナンシャルプランナーとして年間100名以上の家計相談を受けてきた岡崎充輝さん。著書『20代・30代で知っておきたい これからかかるお金で困らない本』から、こんなエピソードを紹介しましょう。
岡崎さんがお金に関する相談を受けるようになってしばらくたつと、「収入が多くてもお金が貯まらない人」と、「収入が少なくてもお金を貯めている人」の差はどこにあるのかを考えるようになったそうです。もちろん、そもそもお金を貯める意欲が低い、という場合を除いての話です。
そのうち、貯蓄をできない人たちは、「そんなにお金使っているつもりないんです」とよく口にすることに気づきました。そしてそんな人たちには、「共働き夫婦」が多いことにも。
原因は「財布は別々」にある?
日本の共働き世帯の割合は59%と半数を超えています(2012年総務省労働力調査)。また、ある調査によると、共働き世帯のうち43%がお金を夫婦別々の口座で管理しているそうです(マネーフォワード調べ)。
この、「共働き・財布別々」というパターンがお金の貯まらない典型だと、岡崎さんはいいます。それぞれが平均的な年収だとしても、2人合わせれば十分な世帯収入があるはずなのに、このパターンのほとんどの家庭は、収入に見合った貯蓄をしていない。
例えば、家賃や水道光熱費などの固定費を夫の口座から引き落とし、食費、日用品などの買い物は妻の財布から支払う。このようなやりくりでは、トータルでの支出管理がやりづらくなります。まさに「そんなにお金使っているつもりない」のに、いつのまにか残高が減っているパターンです。
お金の出口は少ないほうがいいのです。というよりも、出口を1つにすると出ていきにくくなるのです
同書167ページ
「貯まらない」人には3つのパターンがある
岡崎さんは、前述の共働き・財布が別々という点も含め、「なぜかお金の貯まらない人の3つのパターン」を紹介しています。
1. 共働き・財布が別々
さきほどの統計をみると、意外に多いパターンです。「へえ、みんなの貯蓄って案外少ないのかも」と安心してはいけません。2つめも該当者は多いでしょう。
2. ATMに行く回数が多い
その時々に必要な少額を引き出す。「少しずつ引き出すから問題ないでしょ」というのがダメ。計画性のない人がこういうパターンにハマるそうです。岡崎さんによると、お金が貯まる人は逆に、1か月に1回だけ必要な金額を引き出して、それ以上使わない!と 決めていることが多いようです。
3.コンビニに行く回数が多い
ミネラル・ウォーターを買うつもりで入ったコンビニで、つい雑誌とガムを買ってしまう。小さな出費と思いがちですが、1か月もたつと無視できない金額になります。
以上の3つのパターンに共通するのは、お金を「何となく」使ってしまっていること。こうした「使途不明金」をいかに少なくするかが、お金を貯める大きなポイントなのです。
まだ間に合う! 「人生設計」の見直し
「お金が貯まらない」パターンはわかりました。でも、このパターンから脱出すれば将来安泰、というわけでもありません。
岡崎さんは同書で、「これからの人生」での支出の大きな部分を占める、「住宅費」「生命保険」「教育費」「自動車費」の4つを、どう考えて、どのようにやりくりしていけばいいのかを具体的に解説しています。
税金や社会保険料の増加にともなって、わたしたちが「使えるお金」が減る傾向にあることは否定できない事実です。しかしライフステージにおいて、まとまったお金を支出しなければならないなときが必ずあります。そのときにあわてないために、「人生設計」を考えておくことが必要なのです。
いまなら間に合います。同書を参考にして、「これからの人生設計」を夫婦でじっくり話しあってみるのもいいのではないでしょうか。
文=日本実業出版社