旅行や雑学ならクレヨンしんちゃんにお任せ! 都道府県おもしろブック
公開日:2016/4/29
旅行をするには、うってつけの季節がやってきた。「GWはどこへ行こう!」「次の休みは何をしよう!」そんなことを思ってワクワクしながら毎日を過ごす方もいるだろうし、「あー…なんだか…疲れた…やる気が…」と五月病を発症してしまった方もいるかもしれない。しかし! 今の時期こそ、お出かけするなら最高の季節だ! 浮かれ気分な人もブルーな気分な人も、さあ、外へ出かけよう!
そんな風に勇ましく出かけられたら、どこへ行ってもきっと楽しいだろう。どんなにお出かけがしたくても、まずは行き先を決めなければならない。そこで私がおすすめしたいのが『新版 クレヨンしんちゃんのまんが都道府県おもしろブック』(臼井義人、造事務所/双葉社)だ。本書は『クレヨンしんちゃん』に登場するおなじみのキャラクターたちが47都道府県の特徴や雑学を愉快に分かりやすく解説してくれている。小中学生の子どもが読めば地理の勉強にもなる。大人も子どもも楽しく読めて、それぞれの地域の雑学が身につき、ちょっとした旅行ガイド本にもなるのだ。
まんがでおもしろく!
本書は、各都道府県の特徴や雑学をそれぞれ4ページにまとめてあり、そのうちの前半2ページがマンガとなっている。しんのすけたちが、それぞれの都道府県をテーマにワイワイやっているのだ。これは嬉しい。私が個人的に気に入っているのが、長野県をテーマにした「長野の山は日本の屋根」という回だ。なな子お姉さんから「長野県へ行く」と聞いたみさえが、しんのすけにそれを話したところから始まる。慌てたしんのすけは、みさえに「長野はどんなところ?」と尋ねる。すると「白菜の生産量が日本一」と言うので、しんのすけは「白菜漬けもの教室」を開くなな子お姉さんを想像。さらにみさえが「レタスやギターの出荷も多い」と続けるので、ギターを背負ってサラダ教室を開くなな子お姉さんを想像してしまう。そしてこの後、とんでもないオチが待っている。たった2ページでその地域の紹介とストーリー展開とオチがつまっているので、大変読み応えがあるのだ。
地理や歴史などコンテンツごとに紹介!
前半のマンガに続く、後半の2ページでは「名所」「特産」「自然」など、9種類のコンテンツに分けて、さらに詳しく各都道府県を紹介している。香川県を紹介する「うどんの王国!香川県」の回では、「特産」について、しょうゆが全国第4位の生産量であること、オリーブの生産量は全国の99%を占めていることについて触れている。私は本書を読んで、香川県がうどんだけではないことを知ることができた。
「なるほど~」と思えるような雑学や小話
さらに、各都道府県を紹介する4ページ目には、その地域にまつわる雑学や小話も載っている。滋賀県の琵琶湖は日本で1番、世界で3番目に古い湖だそうだ。約400万年前にできたとされ、ロシアのバイカル湖、アフリカのタンガニーカ湖に次いで古いという。さらに約600種の動物と約500種の植物が棲んでおり、「ビワマス」など琵琶湖にしか生息しない固有種もいるそうだ。
本書を読めば、しんのすけの奔放さにつられて、ついついどこかへお出かけたく なってしまうような一冊となっている。かくいう私は、どちらかというとインドア派だ。5月6月の予定も仕事以外あまり埋まっていない。しかし、冒頭のような文章を書いてしまったからには、どこかへお出かけ なければならないような気がする。なので、4月16日に公開された映画クレヨンしんちゃん最新作『爆睡!ユメミー ―ワールド大突撃』を見に行こうかと考えている。
文=いのうえゆきひろ