今読むべきビジネス書はコレ! 「ビジネス書大賞2016」受賞作品決定!
公開日:2016/5/10
2015年に発売されたビジネス書の中から、「ビジネスパーソンにとって学びや気づきがある本」を選出する「ビジネス書大賞2016」。一次投票により8作品がノミネートされていたが、2016年4月28日(木)に大賞ほか各賞が決定した!
<大賞>
『HARD THINGS』ベン・ホロウィッツ
<準大賞>
『「学力」の経済学』中室牧子
<審査員特別賞>
『人工知能は人間を超えるか』松尾豊
大賞を受賞したのは『HARD THINGS』。同書は、一次投票、最終審査員による事前投票、当日投票のいずれにおいても1位を獲得した文句なしの1冊だ。シリコンバレーで最も注目されるベンチャーキャピタル企業「アンドリーセン・ホロウィッツ」。著者は、ブラウザを発明した天才、マーク・アンドリーセンと共にこのベンチャーキャピタルを共同創設したベン・ホロウィッツだ。
起業家時代のホロウィッツには、これでもかというほどの困難(ハード・シングス)が次々襲う。ドットコム不況が襲い、顧客が次々に倒産し、資金がショート。打開策を見つけてIPO(新規上場)を目指すも、投資家へのロードショウ中に妻の呼吸が止まる。上場してもパーティさえ開けないような状況で、株価は35セントまで急落。最大顧客が倒産したり、売上9割を占める顧客が解約を言い出したりして、3度にわたって社員をクビにせざるを得ない状況になる。
しかし最終的には、アンドリーセン・ホロウィッツは困難を切り抜け続け、1,700億円超で会社を売却する大成功を収めた。『HARD THINGS』には、壮絶すぎる実体験を通して、ベン・ホロウィッツが得た教訓とは何なのかが書かれている。
また、準大賞を受賞した『「学力」の経済学』、審査員特別賞を受賞した『人工知能は人間を超えるか』は、必ずしもビジネス書に分類されるものとは言えず、審査の焦点となった2冊である。しかし、今こそビジネスパーソンが知っておくべき知見であり、新しいビジネス書の広がりを象徴する本として受賞が決定した。
現代においてビジネス書は、時代の変化を先取りし、新しいライフスタイルを提案すると共に、時代を代表する人物を輩出する基盤となっている。激しく変化し、これまでの考え方が通用しない時代環境において、ビジネス書は新しい考え方・方法論を提示し、時代を創る存在になったと言えるだろう。「ビジネス書大賞」はこのような潮流を背景に、その年を代表するビジネス書を選出し、表彰するビジネス書専門の賞として2010年より創設された。
大賞を受賞した『HARD THINGS』の中では、著者がリーダーへ、そしてゼロから何かを生み出そうともがき苦しむ人へ、シンプルで説得力のあるアドバイスを載せている。困難に立ち向かうときに読むべき1冊だろう。
⇒「ビジネス書大賞」公式サイト
■『HARD THINGS』
著:ベン・ホロウィッツ
訳: 滑川海彦、高橋信夫
価格:1,944円(税込)
発売日:2015年4月17日
出版社:日経BP社
■『「学力」の経済学』
著:中室牧子
価格:1,728円(税込)
発売日:2015年6月18日
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
■『人工知能は人間を超えるか』
著:松尾豊
価格:1,512円(税込)
発売日:2015年3月11日
出版社:KADOKAWA