新久千映×まずりんの「女の一人飲み」あらため「女の悪酔い」対談!?【後編】
更新日:2016/5/20
TVドラマ化もされ、目下大ブレイク中の「女の一人飲み」漫画『ワカコ酒』。その作者、新久千映が、こんどは自身を主人公に、女一人で酒場を楽しむノウハウを満載したコミックエッセイ『新久千映の一人さまよい酒』を刊行!
一人ふらりと入る赤提灯の店選びで失敗しないコツから、ディープな酒場での楽しみ方、バーやワイン、日本酒といった、さらなる上級者にステップアップするためのヒントまで、これ一冊で新たなお酒の世界の扉が開かれること間違いなしの充実の内容となっている。
今回はそんな新久先生たっての希望で、アラサーOLの本音をえげつないまでの描写で浮き彫りにし、各所から多大な支持を集める漫画『独身OLのすべて』の作者、まずりん先生との対談が実現。「女の一人飲み」がテーマのはずが、2人とも実際にお酒を飲みながらの対談は、油断するたびにあらぬ方向へと転がって……。
居酒屋での一人飲み〜悪酔いエピソード
ーーまずりんさんは、いわゆる「赤提灯」系のお店には行かれますか?
まずりん:私、実はトイレ問題があって…。和式も苦手だし、あとできれば男女別がいいんですが、大衆酒場系は結構男女共用が多いですよね…。
ーー気にしたことがなかったな〜。
まずりん:以前そういうトイレで、鍵が空いてたのでドアをガチャっと開けたら、男性が立ちションしてたんですよ。しかも便座を上げずにやってて! それを見てしまってからもう完全にダメですね。
新久:うわ〜、それはトラウマになりますね……。
ーー居酒屋のお客さんって基本酔っ払いだから、鍵の閉め忘れも多いんですよね。僕もそういう状況には何度か出会ったことがあります。
新久:私は居酒屋のトイレでは絶対ノックするようにしてますね。
まずりん:それ、必須かもしれませんね。逆にこっちがトイレにいて、ドアが遠いパターンも怖くないですか? ノックされても手が届かなくて、「い、いますよ〜」みたいな(笑)。
ーー(笑)。では、そのあたりの問題はクリアした、清潔なトイレの居酒屋さんに行ったとして、お店ではどのように飲まれることが多いですか?
まずりん:私はけっこう食事メインで、お酒は食事に付随するものという感覚なんです。だから『ワカコ酒』でワカコがホッケ1枚を食べながら飲んでるのを見て、「私だったらホッケは少しにして他にも何品か頼みたい〜」って思ったり。1品と1、2杯飲んでさっと帰るみたいな飲み方はまだできないですね。
新久:ワカコはまだ26歳の設定なので、作中ではそれだけでも、たぶん家に帰ってラーメンとか食べてると思います(笑)。
まずりん:だけどああいう粋な飲み方には憧れるんですよね。私は食事が完結するまで満足しないので。
新久:私も基本はそうです。「今日ははしご酒するぞ!」って決めていくと、一軒ごとがそういう飲み方になりますよね。ちょっとずつ食べて飲んで、3軒、4軒とお店を重ねていって、最終的には「オェ〜」みたいな。私、けっこう「オェ〜」ってなっちゃうんです(笑)。
ーーそれって要するに、逆流というか……?
新久:そうですね(笑)。あまりおおっぴらにする話じゃないんですけど、昔、地元のお店のカウンターで調子に乗って食べて飲んでたら、ちょっと咳込んだ拍子に「オェッ」ってなっちゃって。
まずりん:大惨事!
新久:おしぼりで隠せるくらいの量だったんですけど。純粋にキャパオーバーだったみたいで。
まずりん:それ、お子さんか猫がやることですよ(笑)。
新久:うふふ(笑)。
ーー現在も飲みすぎてしまうことはありますか?
新久:家ではよくやってしまいますね。DVDを見ながら晩酌することが多いんですけど「見終わるまでは飲んでなきゃいけない」みたいな変な固定観念があって、気づいたらワインとか日本酒が1本空いたりして、「そんなに飲んだ覚えないのにな……」って。勿体ないですよね。
『新久千映の一人さまよい酒』でモノログ君にたしなめられる新久さん
ーーまずりんさんの、公開できる範囲でのお酒の失敗談はありますか?
まずりん:う〜ん、以前泥酔して、お店のトイレでダウンしちゃって、そしたら友達が「これはもうダメだから車を持ってる知り合いを呼んで送ってもらおう」って手配してくれたんですね。 〜以下かなり中略〜 もう、あれで東京スカイツリーがちょっと伸びたんじゃないかっていう(笑)。
新久:確実に20センチは伸びてますよ!(笑)。
ーーあの……おもしろすぎますがその話、公開できる範囲を超えてますね……。
まずりん:残念。
ーーもうちょっとライトなのだと?
まずりん:あ、これも朝まで飲んで泥酔した時の話なんですが、電車で帰っていて、なぜか最寄駅のひとつ手前で降りてしまったんです。たぶん歩きながら朝の風を感じたかったんでしょうね。
新久:かっこいい!(笑)
まずりん:で、私は颯爽と歩いてるつもりなんですけど、足がガクガクで、もう絵に描いたような千鳥足だったみたいなんです。しかもちょうど通勤ラッシュだったので、お勤めの方達の波にもまれて。
新久:あははは(笑)。
まずりん:普通に知らないおばちゃんに「ちょっとあんた! 真っ直ぐ歩きなさいよ!」とか言われちゃって「そ、そんなこと言われても!」って。だんだん辛くなってきて、最後は泣きながら帰ったんですけど、普通なら15分くらいで着くところ、1時間以上はかかりましたね。
ーー最高です(笑)。新久さんの『新久千映の一人さまよい酒』の中には、泥酔して帰ってきた翌日、カメラに謎の自撮り動画が残っていたというエピソードがありましたね。
新久:あの時はめちゃめちゃ酔っ払っていて、なぜか「自分の頭がぐらぐら前後に揺れてる感じを撮っとかなきゃ!」って思ったんですよ。で、そのままカメラを置いて、自分が布団に寝転ぶだけの動画が残っていて。
まずりん:うんうん、ありますよね! 意味のわからない自撮り。
ーー……ちょっとわからないですね(笑)。
皆さんも酔っ払い自撮りの経験はありますか?
ーーさて、だいぶ良い時間になってきましたので、本日はそろそろお開きにしましょうか。初対面のお2人でしたが、記事には書けないエピソードも満載で、とても盛り上がりましたね!
新久:本当に大ファンのまずりんさんとたくさんお話できて、夢のようでした。ありがとうございました!
まずりん:こちらこそありがとうございました。楽しかったです。こんどは新久さんの地元の広島に遊びに行きますね!
新久:ぜひ来てください! いろいろご案内しますので。それで、あの……最後にダメ元でお願いがあるんですが、私、以前からの夢があって、まずりんさんに漫画の中でディスられたいんです。
まずりん:え! せっかく今日仲良くなれたのに(笑)。
新久:いや〜、もうまずりんさんの作品の世界観が大好きすぎるので。ぜひその中に混ぜてもらえたらと。
まずりん:光栄です。ではちょっと考えてみますね。
・
・
・
・
・
後日まずりんさんから届いたイラスト
※初期のマユ子は頭の形が違ってました
©まずりん/講談社
取材・文=パリッコ
『独身OLのすべて』4巻
Webで3000万ビュー突破の圧倒的OL支持率ナンバーワン漫画!!!(※飲み屋調べ) 4巻には、幽霊退治に女子会バトル、無人島サバイバルなど、OLの日常(?)をハイテンションに描いた全16編ほか、描き下ろしマンガも収録!
よいお店を外観だけで判断する方法、ちまちまとお得に飲めるお一人さまのメニュー選び、頑固おやじ・毒舌系おかみの店で居心地よく過ごす方法。『ワカコ酒』でブレイク中! 飲んべえマンガ家・新久千映による「一人飲みをもっと楽しくする」あの手この手を紹介するマンガです。 バーでの大人な振る舞い方や、好みの日本酒・ワインを見つける驚きのテクなど、今夜から実践したくなる一人飲みの楽しみ方も満載!