シングルファーザー辻仁成、一人息子のために毎日作り続けた愛情料理51品【作ってみた】
公開日:2016/5/21
女優・中山美穂さんと離婚して、早2年。シングルファーザーとなった辻仁成さんが親権を持ち、今はパリで一人息子と一緒に暮らしています。そんな息子が離婚によって落ち込み気味になったのを励ますためにも、辻さんは忙しい合間をぬって、毎日創意工夫を凝らした「ムスコめし」を作り続けてきたんだとか。そんな2年間の愛情いっぱいの手料理をまとめた『世界一小さな家族のためのパリのムスコめし』(辻仁成/光文社)が発売されました。ここには、料理という形で愛情表現をしてきた辻さんの気持ちがたくさん詰まったレシピが51品掲載されており、見ているだけで少し胸が熱くなってきます。ムスコめしとは言え、子どもが好きそうなレシピばかりではなく、野菜を多く取り入れるなどして、彩り、栄養バランスがしっかり考えられているので、大人が食べても、またパーティーなどでも喜ばれそうなものもたくさん紹介されています。今回はこの中から、朝・昼・晩それぞれにぴったりの3品を実際に作ってみました。
1.朝からリッチな気分になれる「簡単チーズトースト」
食パン1枚ずつにバターをのせ、その面を下にして、熱したフライパンにのせてまずは片面を焼きます。焼けたらいったん取り出し、片方のパンの焼き面に溶けるスライスチーズをのせ、もう1枚のパンで挟みます。そして、焼いていない方の面を再びフライパンで焼いたら、3等分にカットし、最後にパセリをふりかければ完成です。
食パンにチーズを挟んで焼くだけというとってもシンプルなレシピですが、最初にバターでパンを焼いたことで、食べた瞬間にふわっとバターの良い香りがして、とてもリッチな気分を味わえます。朝からこんなトーストが出てきたら、テンションが一気に高まりそう。簡単だけど抑えておきたい朝食レシピです。
2、懐かしい甘辛さが食欲そそる「アジア風牛丼」
ごま油と潰したにんにくを炒めたフライパンに、バター、玉ねぎ、エシャロットを加えてしんなりするまで炒めます。ここに牛の赤みひき肉を加えてさらによく炒めたら、砂糖、酒、ニョクマム、しょうゆ、ケチャップ、塩こしょうで味付けをします。最後にお皿にごはんと一緒に盛りつければ完成です。
パリでの食事となると、どうしても洋風な食事が多くなるのかと思いきや、辻さんは出汁からとったみそ汁などの和食や、その他の国の料理も作るそうです。そんな他国レシピの1つがこれ。日本の伝統的な調味料やアジアではメジャーなニョクマムなどを使って、甘辛いタレで炒めた牛丼は甘辛く、とてもなじみ深い味で、これをパリで食べたら、日本やアジアが恋しくなりそうです。ボリュームもしっかりあるので、食べ盛りの人にもぴったりなランチレシピです。
3、シンプルだけど濃厚でボリューミィーな「じゃがいもグラタン」
にんにくをフライパンで炒めたところに、2mmくらいの薄切りしたじゃがいもを入れてしっかり炒め、塩こしょうで味付けをします。これをグラタン皿に移し、牛乳、生クリームを注ぎ、溶けるチーズ、パルメザンチーズをかけたら、200℃のオーブンで20分ほど焼けば完成です。
これぞパリっぽい、素朴だけれど濃厚で美味しいディナーレシピです。材料がシンプルなだけに、味気ないのかと思いきや、生クリームを使うことでかなり濃厚なクリームが、焼けてとろっとしたじゃがいもやチーズと絡んで、いくらでも食べられそうです。じゃがいもの美味しさを再発見できるレシピでもありました。これはそのまま食べてもよし、いろいろな肉料理の付け合わせにもぴったりなので、ぜひ覚えておきたい一品です。
なにも特別な環境の人だけではなく、料理する人すべてが持っている気持ち
辻さんは自身も売れっ子で忙しい日々を送る芸能人ですが、それでも男一人で息子さんのためにこんな努力をしてきていたんだということを知って、ちょっとビックリしました。この「息子のために愛情いっぱいの手料理を」という気持ちは、辻さんのような特別な環境の人だけが想い、やっていることではなく、これは料理を作る人すべてが持っている気持ちだとも思います。自分自身のため、家族のため、誰かのために「この料理で幸せな気持ちになって欲しい」。そんな気持ちで改めて料理が作りたくなるレシピ集です。
文=JUNKO