ゲーム実況で家族は養える?『パパはゲーム実況者』ガッチマン&トラちんインタビュー
公開日:2016/6/10
ニコニコ動画やYouTubeで大人気のカテゴリー、ゲーム実況。ゲームで遊んでいる「だけ」の映像が百万再生以上のアクセス数を叩きだしている。『パパはゲーム実況者 ガッチマンの愉快で平穏な日々』(トラちん/ガッチマン/KADOKAWA)は、そんなゲーム実況者のひとり、ガッチマンさんとその家族の日常を描くコミックエッセイだ。
著者のトラちんさんとガッチマンさんに、執筆のきっかけや、現在の心境について話を伺った。
パパが主人公!? 娘のほうがおもしろいのに!
――早速ですが、トラちんさんが漫画を描き始めたきっかけとは何だったのでしょうか?
トラちん: 赤ちゃんって顔に風があたると、あっぷあっぷってなるんですよ。ある日、散歩に行ったときに向かい風で前に進めなくなっちゃって、1歳くらいだったかなぁ、それがおもしろかったから、ふとニコニコ静画に4コマ漫画をアップしたのが描き始めたきっかけです。それをおもしろいと言ってくれる方がいらっしゃって、続けて公開するようになりました。それで、学生のころで止まっていた同人活動も再開したんです。
ガッチマン: 学生のころの夢をもう一度って感じ。
トラちん: 小さい子は変なことばっかりするので、それが起きるたびにスマホでメモして、それを後から何本かまとめて4コマにして…。集めて同人誌で発表したりしてましたけど、たまにしかお父さんは出ていないよね。
ガッチマン: 私はあくまでもオマケ(笑)。
トラちん: ただ、すでにゲーム実況はやっていたから、そういうことも描けるよね、とは話をしていました。
――同人誌を描いてる当時、ご主人のガッチマンさんを主人公にという考えは…。
トラちん: ガッチさんと娘を比べたら、娘のほうがおもしろいじゃないですか!
ガッチマン: (深く頷く)
トラちん: だから、コミックエッセイのお話をいただいて最初は戸惑ったんですが、打ち合わせをしているうちに”パパのお仕事がゲーム実況”という私たちにとっては当たり前なことが、ちょっと普通と違うんだってことに気づいて。当事者にとってはそれがおもしろいのかわからないじゃないですか、それが日常だから。
娘「ちゃんとマンガをしなさい」、母「大丈夫?」
――お子さんもコミックエッセイを応援してくれていたんですよね。
トラちん: 娘なりに励まそうとしていたみたいで、「ありがとう」って書いた手紙を何度もくれました。私が原稿を描くPCを離れて、ちょっと遊んだりすると「お母さんはちゃんとマンガをしなさい」って叱ってくれたり(笑)。
ガッチマン: 原稿に集中できるように、週末はこの半年くらい子供をいろいろなところに連れていったんですが、後半は子供もだいぶ飽きちゃって「お父さんはもういいや」って言い出して大変でした(笑)。
トラちん: 母に書籍化の話をしたら、「大丈夫なの? できるの?」って10回くらい心配されました。いい大人なのに(笑)。「締め切りは? 間に合う?」って。
――最後に、”パパゲー”(『パパはゲーム実況者』の略称)への意気込みをお願いします。
トラちん: 私が7か月、ネットゲームを我慢した結果がこれです!!
ガッチマン: それよりもさぁ、「ゲーム実況がわからない人でもしっかり説明を入れてわかりやすく描いたつもりなので、友達に見せてもたぶん伝わると思います。実況を知らない人が読んでも楽しめる内容になっているので、手にとって読んでみてください。楽しかったらぜひ友達にもすすめていただき、将来的にはこういう仕事を目指す人がでてくるといいなぁと思います」なんてどう?
トラちん: さすが実況者! でも締めの言葉はどうかなぁ。最終的にはおすすめしません。やらないほうがいいです(笑)。
ニコニコ動画やYouTubeで絶大な人気を誇る「ゲーム実況者」の人々。いったいどんな生活を送っているの? 家族と過ごす日常から、数万人が訪れるイベント会場での晴れ舞台まで、人気実況者ガッチマンの生態を、その妻・トラちんが描く。日本初のゲーム実況者コミックエッセイ! ガッチマン×レトルトの特別対談も収録!!