4人に1人の割合で、40代女性が独身であるという。その数なんと約200万人（※本書に記載）。晩婚化が叫ばれている昨今、ここまで切迫した状況とは思わなかった。

　しかし、考え直してみると、これも女性の生き方の1つかもしれない。昔の日本から価値観が大きく変わり、女性の持つ権利が叫ばれるようになった。女性の社会進出や熟年離婚など、昔とは違う新しい選択の結果が、約200万人という数字に結びついているのだろう。

　いやいやいや！　それでも約200万人はちょっと多い！　先述のように、その人の自身の生き方として独身を貫いているなら、立派だ。何か言う方が野暮だ。しかし、結婚につながる素晴らしい男性に巡り合わず、ずるずると流されて独身の状態なら、それは何とかするべきだ。そんな方が約200万人のうち何割かは占めているはず。40代になって恋をするのは他人の目が気になるから恥ずかしいと感じる方もいるかもしれないが、まさかそんなことはない。恥ずかしいかどうかは自分で決めればいい。他人が決めることではないはずだ。

　『40歳からはじめる　一生の恋人の見つけ方　大人の女性に幸せを運ぶ“スロー・ラブ”のすすめ』（木村隆志/同文館出版）は、ちょっぴり恋に乗り遅れた40代女性を応援する恋愛本だ。婚活本ではない。最近では40代女性の恋愛をテーマにしたテレビドラマや雑誌が話題になったり、美熟女ブームを巻き起こしたり、堂々と恋愛を楽しめる土壌ができあがっているという。そして大人の女性らしく、すぐに白黒つけずに、ゆるくつながって「ずっと一緒にいたい人」に巡り合う“スロー・ラブ”を提唱している。それが40代からの大人の恋愛だ。顔を合わせれば「結婚はまだか!?」と聞いてくる両親や友人は蹴っ飛ばしてやればいい。

　本書は6つのPartに分けて、40代女性の恋愛のアドバイスを送っている

　　Part1　あらためて、あなたの恋愛を考えてみる
　　Part2　あなたの心に潜む不安の正体は？
　　Part3　恋人候補はこんなにいる
　　Part4　無理なく、楽しく、出会える場所へ
　　Part5　“スロー・ラブ”の育み方
　　Part6　大人の女性だからこそ、やってはいけないこと

　10代20代のような勢いに任せた恋愛とは違い、40代になると色々状況も変わってくる。まず自分自身を見つめ直し、そして過去の恋愛についても、もう一度見直してみる。40代になれば、どうしてもブレーキをかけてしまう部分もあるだろう。Part2では、そのブレーキを取り除くエールがもらえる。そして40代女性でも恋愛できるチャンスがあること、大人の女性だからこそできる余裕ある恋愛を後のPartで述べている。

　私はまだ40代ではないので、大人たちの気持ちは分からない。しかし、失恋の辛さは知っている。昨年の秋にフラれてしまった。正直、未練はある。だが、未練がある分、いい恋愛ができていたのだと思うようにしている。それは次につながる自信だ。40代だからといって、老け込むにはまだ早いだろう。誰かと手をつないで歩けるのは、本当に素晴らしいことだ。だからもうちょっと頑張ってみてもいいはずだ。

文＝いのうえゆきひろ