かつて、喜劇王チャールズ・チャップリンは言いました。「人生はクローズアップで見ると悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ」。友人の人生相談を真剣に聞いていても「それは面白すぎるだろ」と感じ、思わず吹き出してしまったことは一度や二度ではありません。若かりし頃の自分自身の悩みも、今や笑い話になっています。

　6月1日に発売された『じゃあ言うけど、そんなコントみたいな恋愛をしているようでは一生愛されないってことよ。』（DJあおい/ワニブックス）は、著者のDJあおい氏が恋愛や人間関係、ダメな女エピソードを笑えるような胸が痛いような“ショートコント”で紹介し、そのダメ女脱却法を伝授してくれるコント集。

　ちなみに、DJあおい氏は、独自の恋愛観を綴るツイッターアカウントのフォロワー数34万人、自身のブログ「DJあおいのお手をはいしゃく」は月間600万PVを誇る、まさにカリスマ恋愛アドバイザーです。恋愛のプロ・DJあおいが読者を一喝する同書には、恋愛絡みだけでなく女からも嫌われるダメな女性像も満載。

　近年、多くの人が利用しているSNSでグチばかりをこぼす「ヤミハラ女」を扱ったコラムでは……

女「友達にケーキを食べさせられて太っちゃったの～私は何も悪くないのに」
コメント「わかる～断れないよね！」
コメント「私もダイエットしなきゃヤバイかもー（笑）」
>>いいね11件
（中略）
女「上司に怒られたの～。私は何も悪くないのに」
コメント「いや、なんかやっちゃったんじゃない？？」
>>いいね2件
女「誰も遊んでくれない～！　私は何も悪くないのに」
コメント「でたよ、のにのにｗｗ」
>>いいね0件

　このように「のにのに」とグチと自撮りばかりをSNSに投下して、反感を買うヤミハラ女たちの、最終的に「いいね」と友人を失ってしまう孤独な末路を紹介。そんなヤミハラ女に対し「グチを言い続けていると、わかりやすく人が離れていきます」と綴り、今後の人生もグチ一色になることを予言しています。無意識のうちにこぼしてしまう「グチ」は、孤独を引き寄せる……胸に刺さり、笑顔も凍るショートコントでした。

　そのほか、「◯◯ちゃん仕事早いよね、雑だけど」「◯◯気がきくよね、なんで結婚できないの？」など、ひと言多い嫌味の “ちょい足し”女、飲み会の席で「なんかおもしろいこと言ってよ～」と、ボールだけを投げるムチャぶり女など、なんとも香ばしい女たちが続々登場します。

　読後には、思わず胸に手を当てて自分の身の振り方を再確認したくなる一冊。心して読もう！

文＝谷口京子（清談社）