毎晩ぐっすり眠るだけで300kcalを消費! 「睡眠ダイエット」が効果があるワケ
公開日:2016/7/4
夏がくる。毎年「今年こそ!」と誓ってダイエットに手をつけるが、成功したためしがない。食事と運動がダイエットの王道とわかっていても、それはなかなか厳しい。「○○だけ」などのお手軽簡単ダイエットすら○○をルーティン化するのが難しく挫折する。
本書『肥満外来の女医が教える 熟睡して痩せる「3・3・7」睡眠ダイエット(SB新書)』(左藤桂子/SBクリエイティブ)はそんな「○○だけ」すら必要としない。毎日の睡眠を見直すだけだというのに、本書の冒頭には、“「眠るだけで痩せられる」というのは、決して夢の話ではありません”とあるではないか。
著者は肥満外来の女医。30年間にわたりのべ約3万人の患者を指導してきた。左藤氏は「肥満に悩んでいる人は、正しい睡眠を取れていない」と指摘する。実は睡眠は肥満に深く関係し、「私たちの身体は毎晩ぐっすり眠るだけで300キロカロリーを消費できる」のであり、「約1カ月きちんと眠ればマイナス1kgのダウンになる」という。
睡眠がカロリーを消費するから痩せるのではない。キーとなっているのが「成長ホルモン」。成長ホルモンには大きく分けてふたつの働きあり、ひとつが“疲れた身体をリセットする「疲労の回復」”、もうひとつが“体内に蓄積された「脂肪の分解」”。正しく睡眠をとることで成長ホルモンがしっかりと分泌され、脂肪の分解につながるのである。
一方、睡眠時間が短かったり、眠りが浅かったりすると、成長ホルモンの分泌は約70%も減少することがわかっている。そこで、成長ホルモンの働きを高める正しい睡眠を習慣づけるために佐藤氏が考案したのが、本書が唱える『「3・3・7」睡眠ダイエット』だ。
・「3」……寝はじめの「3時間」は中断せずまとめて寝ること
・「3」……夜中の「3時」には寝ていること
・「7」……1日のトータルの睡眠時間は「7時間」を目指すこと
たったこれだけである。
寝はじめの「3時間」は中断せずまとめて寝ること
大人の睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返すが、その1セットが1時間半といわれ、とくに最初の2セットがもっとも深い眠りになることがわかっている。成長ホルモンは深く眠るときにまとめて分泌される特徴があるので、最初の3時間が大事なのだ。
夜中の「3時」には寝ていること
成長ホルモンは、夜10時から夜中の2時までに集中して分泌されるが、現代の生活では生活は不規則になりがちだ。だから夜中の3時をギリギリセーフラインとし、成長ホルモンが分泌しやすい3時までには寝ていることをルールとする。
1日のトータルの睡眠時間は「7時間」を目指すこと
睡眠時間が4時間になると、肥満率は73% にまで上昇することが報告されている。睡眠時間が短いために太っていることもあるのだ。通勤時間や昼休みなどの仮眠を含めた「1日トータルで7時間の睡眠」を目標とする。
正しく眠って1カ月でマイナス1kg、「今年こそ!」を達成したい。
文=高橋輝実