【対談連載/最終回】蒼井ブルー×紗倉まな 蒼井ブルーによる紗倉まな撮りおろしストリートスナップも!

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公開日:2016/7/5

ツイートをまとめたエッセイ『僕の隣で勝手に幸せになってください』『NAKUNA』がベストセラーとなっている写真家・蒼井ブルーさんと、『最低。』で小説家デビューを果たした人気AV女優・紗倉まなさん。ともに「本業」を持ちながら、「言葉の仕事」も大切にしている二人が初めて顔を合わせた。実感のこもった名言の数々……。蒼井ブルーさんによる撮りおろしスナップも必見!!

逃げずに書き続けます!(蒼井&紗倉)

写真=蒼井ブルー

蒼井:1冊目を作るってなった時に、改めて自分の過去のツイートを読み返して、いろいろ考えたんです。世の中の本には、人に向かって偉そうに「こうしろ」って言ってるものもあるじゃないですか。そういうのが僕、苦手で。自分が作る本は、「僕はこう思うんだよ」「自分はこうしたいんだよ」っていう書き方にしたいなって思ったんですよね。

紗倉:受け取る人によって色が変わる本、という感じがすごくします。蒼井さんが「自分はこうなんだよね」って提示してくれた言葉に対して、読んだ人が自分なりの汲み取り方をして、それぞれの解決策を見つけ出してってっていう。

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蒼井:生き方のヒントや答えがもらえる本というよりは、「こういうのって自分だけじゃないんだ」っていう、安心感を得られるものになれたらうれしいなと思います。

紗倉:お守り、みたいな。

蒼井:お守りとか言ってもらえたら本当に嬉しいですね。出版絡みでトークイベントとかサイン会をやらせてもらうことがあるんですけど、お客さんが持ってきてくれた本がいい感じに読み古されていたり、たくさん付箋がついてたりすると、むちゃくちゃ嬉しくて。

紗倉:付箋が貼ってあるのを見ると、涙が出そうになりますよね。一個一個、何かを感じて付けてくれているわけじゃないですか。ふとした時に自分の本を開いてくれてるのかなぁっていうのが見えると、書いて良かったなぁって思います。

蒼井:じーんときますよね。「自分の書いたものが、その人のものになってるんだ」って。それって、誰かの人生に、影響を与えているのかもしれないってことじゃないですか。

紗倉:高校の頃の自分が初めて本を手に取った時のような感覚で、自分の本も誰かの手に取ってもらえていたらすごく嬉しいなって思います。

蒼井:まなさんは、これからもたくさん小説を書いていかれるんですよね?

紗倉:どうなんだろう。本って、伝えたいことがないと書くのがすごく難しいじゃないですか。さっき2作目の小説を書いているって話をしたんですけど、自分の人生において一番書きたかったことを、書いているんですね。これを書き終わっちゃったら、次は何を生きがいにすればいいのか。次は何をテーマに書けるんだろうって思ったりして……まだ書き始めたばっかりなのに(苦笑)。

蒼井:人生において一番書きたかったこと、次回作も本当に楽しみですね。でも、まなさんならそれを書ききったあともまた書き続けるんじゃないですか? なんかうらやましいです。こうあるべきですよね。 僕も、次はどういう本がいいかなって考えるんですけど……、すぐに「僕ってなんなんだろう? 人はどこからやってきて、どこへいくんだろう」みたいに別の世界へ逃げてます(笑)。

紗倉:逃げないでください!(笑)

蒼井:その一言を励みに、頑張ります(笑)。

取材・文=吉田大助

第1回はこちらから読むことができます。→https://develop.ddnavi.com/news/308917/

(プロフィール)
蒼井ブルー(あおい・ぶるー)●大阪府出身。きゃりーぱみゅぱみゅをはじめ、原宿のファッションアイコンを起用して行ったストリートスナップが話題を呼び、カメラマンに。ファッション系人物撮影をメインに広告、誌面、ウェブなど幅広いシーンで活躍中。日常を独特なタッチで綴るTwitterでは16万近いフォロワーを抱えるなど、発言にも注目が集まる。

(プロフィール)
紗倉まな(さくら・まな)●1993年3月23日、千葉県生まれ。工業高等専門学校在学中の2012年にSODクリエイトの専属女優としてAVデビュー。2015年にはスカパー! アダルト放送大賞で史上初の三冠を達成する。テレビ出演や雑誌の表紙グラビアなどでも活躍し、『週刊プレイボーイ』(集英社)、『messy』(サイゾー)でコラムを連載中。著書に『高専生だった私が出会った世界でたった一つの天職』(宝島社)がある。