「この上ない幸せ!!」幻の『さくらん』第二部の原稿も公開される「安野モヨコ展『STRIP!』PORTFOLIO 1996-2016」開催にファン歓喜!

マンガ

公開日:2016/7/27

    img01

 女性の姿を鮮やかに描き出し、多くの人気を集める安野モヨコの20年を超える画業から選りすぐりの原画を展示する作品展「安野モヨコ展『STRIP!』PORTFOLIO 1996-2016」が、2016年9月1日(木)から9月26日(月)にかけて開催される。この知らせにファンたちは「安野モヨコ展とかさ……行きたいに決まってるわぁぁあぁあ!」「安野モヨコ展も行きたいなー私の青春!!」「安野モヨコ展! この上ない幸せ!! もう絶対行く!!」と大喜び。

 安野モヨコは『働きマン』や『さくらん』、『ハッピー・マニア』などで知られ、つねにその時代の女性たちが持つ“リアルな女性像”を投影した作品を描く女性漫画家。安野の作品は「何という話の上手さ、人物描写の上手さ。天下の安野先生に今更そんなこと! という感じだけどやっぱり安野モヨコはすごい!!」「女の人がほんとに美しい! ファッションやメイクがすごくかわいくて憧れちゃう~」「小学生の頃から大好きな安野先生!『シュガシュガルーン』から始まり年を重ねるごとに違う作品を好きになってく!!」と女性を中心に幅広い層から人気を集めている。

 同展は、渋谷から池袋に移転してきたパルコミュージアムで開催予定。安野モヨコ初となる大規模個展となり、1995年連載の『ハッピー・マニア』に始まり、現在執筆中の『オチビサン』『鼻下長紳士回顧録』まで、代表作の扉絵や名シーンを描いた選りすぐりの原画が一堂に展示される。

advertisement

 そして、その中でも「これは絶対に行かねばならん…」「このためだけでも行く価値は十二分にある!!」と特に注目を集めているのが、単行本未収録につきファンの間で「幻の」と称されている漫画『さくらん』第二部の原稿だ。『さくらん』は第一部が2001年から2003年にかけて『イブニング』で連載され、第二部が2005年から連載開始されたが、現在は停止状態になっている。江戸・吉原遊郭の中でもひときわ異彩を放つ美貌の遊女・きよ葉は自由を奪われた世界の中で誰にも頼らずまっすぐに自分を信じ、そして吉原一の売れっ子花魁・日暮となる。『さくらん』は、きよ葉の葛藤や苦悩、遊郭で起こる事件、そしてきよ葉自身の恋模様…と遊女・きよ葉が花魁・日暮となっていく人生模様を描いた安野モヨコの代表作の一つだ。

 多くのファンたちが、『さくらん』で描かれた遊郭の美しく、粋で、しかし狂気が渦巻く世界に「吉原の世界は濃くて怖いな。しかし、それが面白い!!」「身売りされた少女が花魁になるまで。気が強くて喧嘩っ早くて美貌、おまけに花魁職が嫌で何度か脱走もするような主人公がすごく魅力的」「ほれるも地獄。ほれられるのも地獄。色がなければ生きてもいけぬ。本当に安野モヨコ先生のお話は素晴らしい!」と魅了されているよう。

 気が強く喧嘩っ早い性格ながらも、その美貌と個性で吉原遊郭でのし上がっていくきよ葉も、やがて商家の息子・惣次郎と恋に落ちていく。しかし、遊郭ではそんな恋も駆け引きの一つだ。「強いけど弱くて、美しいけど醜くもあるドロドロとした女の世界。いつの時代も女の嫉妬は怖くて、でも読んでる側としては最高に面白い!!」「『ああ、笑う鬼だ』というセリフが遊郭の世界をっぴったり表現してて鳥肌たった…!!」「ショックだった…ぞっとした…でもこれこそがさくらん!!」ときよ葉と惣次郎の恋、そしてそれに関わり巻き起こる事件が『さくらん』の真骨頂ともいえるのだろう。

 『さくらん』は、2007年に主演土屋アンナ、監督蜷川実花で実写映画化もされている。『さくらん』の怪しく豪華絢爛な世界を、鮮やかな色彩と独自の世界観で描き出した映画「さくらん」は、安野が作品に込めた女性のリアルを映像として映し出した。土屋だけではなく、椎名桔平、成宮寛貴、木村佳乃、菅野美穂など豪華キャスト、そして音楽を椎名林檎が担当して制作された映画「さくらん」は、「安野先生のさくらんをこんなにしっくりと映像化してくれるなんて!!」「江戸時代の残酷な美とエロス。蜷川監督は女性ならではの視点から見事に描きました。脱帽!」「土屋アンナが美しい! 成宮君がすごい! 大好きな映画です!!」と高い評価を得た。

 “女性”を中心に物語を描くことの多い安野だが、『ヤングマガジン』で連載されたモテないフツーな男子高校生・小松が「モテ道」に向かって大暴走する『花とみつばち』や、夫である『エヴァンゲリオン』シリーズなどで知られる庵野秀明との夫婦関係を赤裸々につづったエッセイコミック『監督不行届』なども連載。今回の展示会には「女の人ばっかだろうけど、俺も行きたいです安野モヨコ展…」「俺は安野先生のファンなんだと胸を張って行こうではないか諸君!!」と男性ファンたちも参戦の決意を固めているようだ。

 安野モヨコ展『STRIP!』PORTFOLIO 1996-2016」では、展示と同時に画集『安野モヨコ STRIP! PORTFOLIO 1996-2016』も発表される。同展、そして同時刊行の画集のために書き下ろした作品も展示されるということなので、安野の20年を超える画業の歴史を実感しつつ、これからの新しい安野ワールドの世界を覗き見ることができるかもしれない。

■「安野モヨコ展『STRIP!』PORTFOLIO 1996-2016」
会期:2016年9月1日(木)~9月26日(月) ※会期中無休
会場:パルコミュージアム (池袋パルコ 本館 7F)
時間:10:00~21:00
入場料:一般 500円、学生 400円、小学生以下無料
⇒「安野モヨコ展『STRIP!』PORTFOLIO 1996-2016」特設ページ

■『さくらん
著:安野モヨコ
価格:936円(税込)
発売日:2003年11月5日
出版社:講談社