赤を身につけた相手を見ると、セックスしたくなる!? 五感を使った驚きの心理学テクニックとは?

恋愛・結婚

公開日:2016/8/9

『赤を身につけるとなぜもてるのか?』(タルマ・ローベル:著、池村千秋:訳/文藝春秋)

 夏まっ盛り。一夏の恋のひとつやふたつしたいものだが、現実は厳しく、今年の夏も何事もなくつまらないまま過ぎていきそうだ。可能ならば、誰よりもモテたいのに。都会でスマホゲームでポケモンを捕まえるくらい手軽に人の心をゲットできたら良いのに…。どうにかしてこの夏モテたいと思っているのならば、心理学のテクニックを使ってみると良いかもしれない。

 テルアビブ大学社会科学部心理学科教授・タルマ・ローベル著『赤を身につけるとなぜもてるのか?』(池村千秋:訳/文藝春秋)では、人の五感に関する驚きの事実が多数掲載されている。私たちは多かれ少なかれ、日々、あらゆる感覚的な刺激にさらされているが、自分でも気がつかないうちに、その刺激に強い影響を受けているのだ。心理学の実験で明らかになった事実はどれも驚かされるのもばかりだが、本書の中から、人の心を掴むためにすぐに使うことができそうな事実をお伝えするとしよう。

温かい飲み物を持つと、目の前の人を「温かい人」だと感じてしまう?!

 ローベル氏によると、人は、物理的に温かさを感じると、対人関係で感じる温かさも増すのだという。2008年、エール大学の大学院生のローレンス・ウィリアムズ氏と同大学教授・ジョン・パージ氏は、被験者を2つのグループに分け、半分の人にはアイスコーヒー、もう半分の人にはホットコーヒーが入ったカップを持たせながら、ある架空の人物に関する評価をさせるという実験を行った。すると、「温かい」、「冷たい」を連想させない性質に関しては、両者の評価に違いは見られなかったものの、ホットコーヒーを手に持った人たちは、アイスコーヒーを持った人たちに比べて、架空の人物を、やさしく、穏やかで、親切だと評価した割合は著しく高かったのだそうだ。物理的に温かさを感じただけで、評価すべき他者を「温かい人」として認識してしまったのだという。これを応用して、デートの時は、相手に温かい飲み物を飲ませれば、相手に好印象を与えることができるかもしれない。

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赤を身につけた相手を見ると、セックスしたくなる?!

 さらに、ローベル氏は色の力を使えば、人からの印象を操ることができるという。特に自分のセクシーさをアピールしたいのならば、「赤」という色は、その強い味方となってくれるだろう。心理学者のアンドリュー・J・エリオットとダニラ・ニエスタによる異性に対する第一印象を調べる実験では、背景やシャツの色が赤色の写真を見せられた人は他の色の写真を見せられた人よりも、写真に写った女性を魅力的でセクシーだと判断した。赤は欲望にも影響を及ぼしているようで、セックスやデートをしたいと思い、たくさんお金を使ってもいいと答える人の割合が高まったのだという。対する女性も、赤い色の背景や赤色のシャツの男性に性的欲求を感じ、彼らを地位が高く、将来成功する可能性が高いと評価した。この夏、赤いものを身につけて、異性に魅力をアピールしてみるのも良いかもしれない。ただ、「赤色」の効果は、平均的なルックスの人においてもっとも顕著。非常に魅力的な人と平均以下の人の評価を逆転させるまでの影響は見られないので、悪しからず…である。

 写真に写る時は、女性は画面の下の方、男性は画面の上の方に写るようにした方が異性に魅力をアピールできる? 硬い椅子に座ると、目の前の人を頑固で厳しい人だと評価する? 心の汚れは除菌シートで落ちる? その他にも、この本には、驚きの心理学の発見が掲載されている。恋愛に限らず、仕事や人間関係など、今までいろんなことが上手くいかなかったのは、もしかしたら、心理学的に良くない行動を取っていたのかもしれない。この本を元にあらゆるテクニックを活用してみよう。もしかしたら、今まで困難に思えていた人との付き合いが、少しラクにこなせるようになるかもしれない。

文=アサトーミナミ