埼玉県民は購入をためらう? 『クレしん』の奔放ガイド、都道府県あるある… 行かなくても知った気になれる「ご当地本」5選!
更新日:2016/8/14
夏のお盆の季節、街ゆく人の数も少しばかり少ない気がして、夏休みモードが漂う都内。帰省中の人も多いのではないだろうか? 普段は標準語だけれど、地元に帰れば、会話は方言。久々に食べる母親の味に心がしみたり、自分のルーツはやっぱりここなんだなぁと再確認したり、郷に入れば郷に従えではないが、地元に帰れば地元ならではのカルチャーがあったりする。今回紹介する5選は、ご当地本。帰省のお供にぜひ読んでみてほしい。
『よくわかる都道府県』
みなさんは、47都道府県に対してどんなイメージを抱いているだろうか? 『よくわかる都道府県』(日本博識研究所/宝島社)は、ネット上にある「地元事情を表した地図」を拾い集め、要素をチョイスして再構成し、地元事情を表す日本地図の完全保存版を目指したものだ。埼玉県民の方は購入をためらってしまいそうな表紙の通り、本書は「真偽はおいて楽しもう」というスタンスで読むのが正しい。47都道府県のある意味“真実”がわかりすぎる爆笑地図と各都道府県の基本情報、“都道府県あるある”も完備。帰省中の電車に揺られながらついついページをめくりたくなる1冊だ。
『クレヨンしんちゃんのまんが都道府県おもしろブック』
『クレヨンしんちゃんのまんが都道府県おもしろブック』(臼井儀人:著、造事務所:編/双葉社)は、『クレヨンしんちゃん』に登場するおなじみのキャラクターたちが、47都道府県の特徴や雑学をそれぞれ4ページで愉快に分かりやすく解説してくれている。小中学生にとっては地理の勉強にもなる。大人も子どもも楽しく読めて、ちょっとした旅行ガイド本にもなるのだ。
たとえば、長野県をテーマにした「長野の山は日本の屋根」では、みさえから長野は「白菜の生産量が日本一」と聞いたしんのすけが、「白菜漬けもの教室」を開くなな子お姉さんを想像。さらに、みさえが「レタスやギターの出荷も多い」と続けるので、ギターを背負ってサラダ教室を開くなな子お姉さんを想像してしまう。そしてこの後、とんでもないオチが待っているという、『クレしん』ファンの期待を裏切らない内容になっている。しんのすけの奔放さにつられて、ついついどこかへ出かけたくなってしまうような一冊。
『北のダンナと西のヨメ』
言葉や文化の違いは、どの県にもあることだろう。それは時に理解の範疇を超え、喧嘩の火種になってしまうこともあるが、だからこそおもしろい。『北のダンナと西のヨメ』(横山了一/飛鳥新社)は、そんな県民性の違いをテーマにしたコミックエッセイ。そこらへんを鶴が舞い、シカと車がしょっちゅう事故る、最果ての地・北海道出身の横山了一さんが、死ぬほどうるさいバスの中、おばちゃんがアメを仕込む、コッテコテの地・関西は兵庫県出身の奥さんとの生活のなかで見つけた、「お互いのあたりまえ」を描いている。凸凹漫画家夫妻がとまどい、悶える、異色の県民性コミックエッセイだが、横山さん夫婦のようにそれを楽しむことができれば、毎日が発見の連続でワクワクしたものになるだろう。
『京都ぎらい』
あこがれを集める歴史の都・京都。 初対面の相手に「京都出身です」と自己紹介され、急に見る目が変わったなんて経験はないだろうか? どこか「京都」には特別感が漂う。その原因のひとつに、東京のメディアからの“京都持ち上げ”があると語るのは、自ら「京都ぎらい」と明言する、京都育ちでずっと京都に住んでいる著者だ。千年積もった洛中人の毒や、坊さんと舞子さんとのコラボレーションなど、「こんなん書いてええのんか?」という衝撃の新京都論が『京都ぎらい』(井上章一/朝日新聞出版)だ。2015年に大ベストラーになった本作をこのタイミングで読んでみては?
『このマンガがすごい! Comics この「地方ディス」マンガがひどい!』
『パタリロ!』などの人気作を誇る魔夜峰央氏の『翔んで埼玉』は、日本中を震撼させる衝撃の埼玉ディスりが話題となった。「地方ディス」マンガブームのなか、『このマンガがすごい!』編集部が総力を挙げて、過去の名作から、現在巷を騒がせているあのマンガまで、古今東西の衝撃的ながら、ちょっと「あるある」な「地方ディス」マンガを収録したアンソロジーマンガ集が『このマンガがすごい! Comics この「地方ディス」マンガがひどい!』(宝島社)。『お前はまだグンマを知らない』『増補改訂版 東京都北区赤羽』『ジャポニズム47』など全9作品を収録。昨今では、認知度の低さを逆手にとり自虐PRをするなど、自治体のPRも新たな形に変化している。本作もきっと地方の魅力をより一層認識できる手立てになるはずだ!