【女性社員のトリセツ】「常に不機嫌な人」と「定期的にイライラしている人」の異なる対処法とは?
更新日:2016/10/17
『マンガでわかる 女性とモメない職場の心理学 「何が自分と違うのか?」から気持ちをつかむ会話術まで』(ポーポー・ポロダクション/SBクリエイティブ)は、オフィスでの女性社員取扱説明書。左ページから順に1、2、3ページ…とはじまる本書のページをめくると、左ページには、こんな時は…というケースが文章で、右ページにはマンガが挙げられている。マンガには、サルが登場。オスの頭には淡い黄色、メスには淡いピンクの花が咲いている。花は、怒ると赤色に、絶望するとブルーに、さらにショックを受けると灰色となり枯れるそうだ。サルの頭の花の様子にも注目。
女性の社会進出に伴い、多くの企業で女性社員が増加。内閣府の調査でも女性社員の雇用者数は増加傾向にあるという。2020年をめどに、女性の管理職比率を50%に引き上げようとする企業もあるらしい。女性社員とどう向き合っていくかは自分の評価・実績のみならず、会社の業績を上げるポイントにもなるようだ。
本書では、とりあえず男性社員目線で、タイプ別女性社員の対処法/女性と男性は何が違うのか?/女性とうまく接する土台作り/女性とうまく向き合う会話術/心から女性社員を動かすテクニック……と順を追って理解を深め、行動に移すまでが具体的に示されている。
いくつか、本書に掲載されている例を挙げよう。
「女性と男性はどこが違うのか」の章より
――なぜかイライラしている女性の対処法
〈常に不機嫌な人の場合〉
→「大変だよな」「それ辛いな」などと、まず共感すること。反応を見て、「話を聞いてあげる」「手伝う・助ける」などの対応を考える。
〈定期的にイライラしている人の場合〉
→ホルモンの影響かもしれない。体調不調が考えられるので、まずはそっとしてあげよう。
――会話のとらえ方、使い方の違い
男性は会話を「情報」だと思い、女性は「コミュニケーション」だととらえている。
→女性は自分の思っていることを「聞いてほしい」もの。男性は「自分にあまり関係ない」と聞き流すのではなく、真剣に耳を傾け、きちんと反応するのが大事。
「心から女性社員を動かすテクニック」の章より
――女性は「ほめて」のばそう
女性は、説得や交渉を断ると期待されなくなってしまうかも、という恐怖感を男性よりも強く持つ。怒られてがんばる場合、即効性はあるが、長続きしない。ほめられてがんばるほうが総合的に強い。
→「ほめる」ことは、期待をされているという好意的な感情につながるので、日ごろから女性を継続してほめ良好な関係が築けていれば、説得や交渉が必要になった時、スムーズにことが運べるという効果も期待できる。
マンガと文章を担当したのは、ポーポー・ポロダクション。心理学を活用した商品企画や企業コンサルタントもてがけるグループで、色彩心理と認知心理が専門。文章には難しい心理学用語が入っているわけではないが、脳科学や働く女性への取材など綿密な調査をもとに、執筆から完成まで3年がかかったとのことだ。本書には、「ほめる」トレーニング、女性に使える「ほめ言葉」リスト、服装の色とりあわせアドバイス、ダメな叱り方、よいほめ方、関係が悪化した時の秘策まで掲載されており、大いに参考になる。
これからは、女性心理を理解して、うまくコミュニケーションをとることが非常に有利になっていく。根本的に女性と男性は違う。男女の価値観の違いを理解し、まずはオフィスで役立ててみよう。
文=塩谷郁子