「ホッキョクグマの毛がぬけると、肌は黒い」―ウソでしょ!? とんでもなく残念な進化の事典!!

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公開日:2016/9/21

『おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』(今泉忠明/高橋書店)

「進化」と言えば、当然のように「今より良くなること」だと思ってはいないだろうか? プラスになる進化はあっても、マイナスになる進化はない……。私もずっと、そう思っていた。しかし、地球上に存在する400万種ほどの「いきもの」たちの中には、若返り、不老不死などのすごい能力を持つ生物がいる一方、「どうしてそうなった!?」と思わずツッコミを入れたくなるざんねんな生き物もいるのだとか。

おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』(今泉忠明/高橋書店)は、そんな進化の結果、なぜか「ざんねん」な感じになってしまった生き物たちを紹介している、かなり笑える雑学事典だ。

ホッキョクグマの毛がぬけると、肌は黒い


 なんとなく、ショッキングな事実。肌色ならまだしも、太陽の熱を吸収できるように地肌は黒いらしい。しかも、毛の色も本当は白ではなく、透明なのだとか。そうなると、もはや「白クマ」がこの世に存在しないことになるんじゃ……。

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ワニが口を開く力はおじいちゃんの握力に負ける


 ワニと言えば「噛む力がすごい」というイメージだが、口を開く力は弱いらしい。もしもワニに襲われそうな機会があれば、口を開く前に思い切って押さえるのがベストな対処法だろう。押さえてから、その後どうするの? という感じだけど。

ヒトデは胃袋を口から出して食事する


 ヒトデとか貝類とかって、どうやって食事をしているんだろうと思っていたけど、ヒトデはとてもグロテスク。身を守るために皮膚を硬くした結果、胃を吐きだして消化する方法を編み出したのだとか。

カカポは太りすぎて飛べなくなった


 全力でダイエットしてほしい。鳥なのに全長60センチ、体重が4キロにもなる巨大な鳥になってしまったため飛べず、身を守る方法はうずくまることしかできないなんて……。

オポッサムは敵におそわれると死んだふりをする


「クマに会ったら死んだふりをする」という間違った対処法を自然界でやってのけているのがオポッサムという哺乳類。野生動物でも腐った肉より新鮮な肉を好むという習性を利用しての「生き残り術」。人間でも騙されてしまうかもしれない。けれど、敵のお腹が空いていたらお構いなしに食べられてしまうというのが、進化の「限界」を感じさせられる。

テントウムシは鳥がはき出すほどまずい


 割と市民権を得ている「かわいい」部類の昆虫であるテントウムシ。アブラムシを食べる益虫でもある彼らは、実は「すごくまずい」そうだ。まぁ、私は食べないので見た目がかわいければ問題ないけども。

クモは運にまかせて空を飛ぶ


 テントウムシに比べ、市民権を得ていないけど「朝のクモは殺すな」といった言い伝えを持っているために、なんとなく駆除するのに抵抗がある虫のクモ。自宅のそこかしこにいるので、安定した「成長」をしているのかと思えば、クモの子どもは風の強い日におしりを空に向け、糸を出し、風に任せて風船のように飛んでいく。そのため、地上に下りられず飢え死にしたり、海に落ちて死んでしまったりする場合もあるのだとか。かなり命がけの「旅立ち」をしているのだ。

 その他、アザラシの祖先は陸地で暮らす(四本足の)生き物だったが、魚が好き過ぎて追い求めた結果、海にたどりつき、身体まで泳ぐのに適した体型になった説や、「カマキリのオスはメスにたべられがち」といった肉食女子を地でいく昆虫の話、「キツツキは、頭に車が衝突したくらいの衝撃を受けている」など、実に122種もの「ざんねんな」生き物たちが紹介されている。

 進化の意外な一面を知ることで、動物たちを見る目も変わってくるかも?

文=雨野裾