「うまくいかない」「理由がわからなくてモヤモヤ」…恋にも人間関係の悩みにも効く50音!
公開日:2016/10/1
私たち女子の悩みは尽きない。忙しい毎日を過ごす中で、仕事や恋愛や生き方に、ふと疲れてしまう瞬間もあるだろう。たっぷり睡眠をとっても(そもそもよく眠れない)、美味しいものを食べても(そもそも食欲がない)心が晴れない。そんな時、寄り添ってくれる本があるだけで心は少し軽くなるのではないだろうか。
Instagramの大人気連載、『乙女に捧げるレクイエム』(Pantovisco〈パントビスコ〉/KADOKAWA)が書籍化され、「心に刺さる」と女子の共感を呼んでいる。すでにパントビスコ氏のインスタフォロワー数は21万人を超えるほど。本書の大きな特徴は、一般的な名言集ではなく女子に向けたレクイエムだということ。著者の言葉を借りれば、あくまで“昇華されない乙女の魂を鎮めるため”に書かれた本だという。ゆるいフォルムの意味深なひらがな50音。悶々と悩める女子の心にダイレクトに刺さる。
きがなくても れんらくくれるだけで しょうじきうれしかったです ありがとう
これは、恋する女子の100%素直な本音だ。誰にでも優しくて、送った何気ないメールにも丁寧に返信してくれる人。恋が実らなくても、「もしかして彼も自分に好意を持ってくれているのかも」と錯覚し、胸をときめかせた毎日はきらきらと輝いていた。思わせぶりだったと恨むのではなく、一時でも幸せな時間を味わわせてくれたかつての想い人に、感謝。
ひとをかなしませないためのうそってなんかすこしうえからめせん
人間関係にはたくさんの優しい嘘が存在するが、それは本当に相手のためだろうか。たとえば別れを告げる時に本当の理由を隠すのは、真実を言って、自分が悪者になるのが怖いだけなのかもしれない。対等に見てくれているなら、真実を伝えてくれるのが優しさの場合もある。
どあは あいているのに なぜ はいらないの
チャンスは一瞬で、心の準備をしている時間などない。ドアに鍵はかかっていないから、自分が一歩を踏み出しさえすれば新しい世界が待っているのだ。勇気がなくてドアの前で足踏みをしているなら、とにかく中に入ろう。
これ以外にも、「いちねんごも じゅうねんごも そのひとが すきですか」という問いかけや、「おもいでに ひたってるときに もうしわけないけど ここはげんじつですよ」という鋭い指摘がアクセントになっている。心の底に潜む言語化できなかった悶々とした思いをすくいあげてくれるような『乙女に捧げるレクイエム』は、元気がない日にひとりで堪能するのがいい。書店で赤い表紙を見かけたら迷わず手に取り、著者のパントビスコ氏を検索してほしい。きっと、そのイケメンぶりにも癒されることだろう。
文=佐藤結衣