星野 源「米澤穂信さんは常に新しいことに挑戦されている」
公開日:2016/10/6
ハマったきっかけは、本誌連載エッセイ「いのちの車窓から」の担当編集者に、米澤穂信の短編集『満願』をオススメされたことだった。米澤の<古典部シリーズ>はアニメ(『氷菓』)を通して見知ってはいたが、著作を読むのはその時が初めて。今では、「一番好きな小説家さんです」と言う。
「米澤さんの作品は、謎解きの部分も面白いんですけど、謎から生じてくる人間ドラマが面白いです。登場人物への愛をものすごく感じるし、ミステリーというジャンルの垣根を壊そうとしている感じがします。それをジャンルの外側からやるんじゃなくて、ジャンルのど真ん中でされているところが素敵です。自分も音楽活動をしている時は、“Jポップってこういうもの”と決められた枠を壊して、風通しを良くしたいと思っています。それを外側からではなく、Jポップの世界のど真ん中で遊んでいたいなって
ジャンルの垣根を越え、ものづくりのスタンスに共鳴しているのだ。
「米澤さんの作品は最新作が常に新しいことに挑戦されている。今までに自分が書いてきたものを、常にアップデートして出してきている感じがするんですよね。その心意気や、野心にも惹かれます
いつか2人の“ものづくり対談”が実現する日を熱望します!
(取材・文=吉田大助 撮影=山口宏之)
星野 源
ほしの・げん●1981年、埼玉県生まれ。音楽家、俳優、文筆家。昨年12月発売の4thアルバム『YELLOW DANCER』が「第8回CDショップ大賞」を受賞。ラジオ「星野源のオールナイトニッポン」は毎週月曜深夜25時よりニッポン放送にてオンエア中。本誌にてエッセイ「いのちの車窓から」を連載中。『真田丸』で大河ドラマに初出演。
ヘアメイク=増田加奈 スタイリング=平田博美
経営破綻したベンチャー企業の広報担当者が失踪した。残されたメッセージから、居場所を探る。世間を賑わした高校生の心中事件は、本当に二人が考えたものだったのか……。フリージャーナリストの太刀洗万智が探偵役となって事件を解決すると共に、現場で感じ考えたことが綴られていく全6編収録の短編集。
連続ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』
原作/海野つなみ『逃げるは恥だが役に立つ』(講談社) 脚本/野木亜紀子 監督/金子文紀ほか 出演/新垣結衣、星野 源、石田ゆり子ほか 10月11日よりTBS系で毎週火曜夜10時放送
●職なし彼氏なし居場所なしの森山みくりが見つけた「就職先」は、サラリーマン・津崎平匡の家。雇用主=夫で、従業員=妻。家事労働に対価が支払われる「契約結婚」を、二人で選択することに……!? 主題歌となるニューシングル『恋』が発売中!