「キラーストレス」に負けないために…こころの筋力の鍛え方
公開日:2016/10/23
人を死に追い込むこともある「キラーストレス」が知られるようになり、職場のストレスチェックも始まって、メンタルヘルスへの関心は社会的にも大きく高まっている。機能不全なこころの仕組みを知って、本物のタフな人になるための方法を紹介した『こころの筋力トレーニング』が2016年9月16日(金)に発売された。
ストレスチェックの最大の問題は、自分を客観的に見る力がないと結果の信頼性が低くなることだ。ストレス状態を正確に判断できないと、対策やセルフケアの効果が出ないばかりか、状態を悪化させることになりかねない。自分のこころの状態を客観的に見る力を養うには、「ネガティブな感情や感覚」のキャッチ力がカギとなる。これを高める方法が、同書が提唱する「こころの筋トレ」だ。
著者の浅海明子は、高松市内でカウンセリングセンターを営む臨床心理士として、日々様々な患者と向き合いながら、総務省消防庁緊急時メンタルサポートチームのメンバーとして、東日本大震災の保安職員らのストレスケアに携わってきた。また、消防職団員、海上保安官、保健師、看護師、市町村職員などに向けたメンタルヘルスのセミナー講師も年20回近く務めている。
「人を守る・ケアする」職種では、一般の人々より「我慢する」「ストレスをなかったことにする」傾向が強くなりがちになってしまう。著者はそれがこころの機能不全を引き起こし、本人や周囲に深刻な影響を及ぼす事例を数多く見てきた経験から、機能不全なこころの仕組みを「感情の蓋付きマンホール」という理解しやすいイメージで解き明かしていく。
こころの筋トレは、まず自分や相手の感情マンホールに「気づく」ことから始まる。そして、そのメカニズムを「知る」。ここまで行うことが出来れば、状況は大きく変わると著者は言う。さらに腰を据えて「メンテナンス」し、最後に「蓋を柔軟に開け閉めできる筋力をつける」。
ストレスやトラウマに向き合えるだけの「こころの筋力」をつけて、本物のタフネスを手に入れたい人はぜひ同書を手に取ってみよう。
※掲載内容は変更になる場合があります。