「ぼんやり」が脳を整理する!? ひらめきを生み出す3つの法則
公開日:2016/11/1
脳のリハビリテーションを専門とする作業療法士が、独自のアイデアを出す方法を紹介する『「ぼんやり」が脳を整理する~科学的に証明された新常識』が2016年10月20日(木)に発売された。
「物理学者のアイザック・ニュートンは、リンゴの木からリンゴが落ちるのを見て万有引力を思いついた」―それが真実かどうかはさておき、「歴史上の偉人や発明家は、仕事に集中している最中ではなく、ぼんやりしていたり、まったく関係ないことをしていたりするときに突然、歴史的なひらめきが生まれた」という話は、子どものころから馴染みがある。これらの逸話から単純に考えると、私たちが仕事上でひらめきを生み出し、立ちはだかる課題を突破するには、仕事とは関係のないことをする必要があるということだ。
菅原は「私は、脳のリハビリテーションを専門とする作業療法士です。損傷された脳が回復する臨床現場での知見は、私たちの脳の力を最大限に発揮するために役立ちます。脳は、寝食を忘れて訓練するほど回復する、などということは決してありません。脳が回復する、つまり、手が動かない、物忘れがひどいなどの課題を突破して、再び機能する過程には、ある法則があります。これは、偉人たちの歴史的なエピソードやビジネスで新しい価値が生み出される場面にも共通しています。その法則は3つです」と説明している。
法則1:気づきをつくる
法則2:ぼんやりする
法則3:自分を外から見る
これが、人間の脳がひらめき、大きく前進するときに見られる共通点。ただこの順番に実行するだけなのだが、この3点のどれも正しくできていないとひらめきには至らない。反対に、この3つの法則をそれぞれうまく実行することさえできれば、休みなく働かなければならなくても、ひらめきを生み出すことはできる。3つの法則を実行する力がそれぞれ上達すれば、毎日忙しい中でも、その人のライフスタイルに合わせて、有効にひらめきを生み出していくことができるのだ。
同書は、自分自身で仕事のスケジュールを調整できる人はもちろん、デスクに座りっぱなしの人や、他人のスケジュールに合わせて仕事をしなければならない人でも、すぐに実践できる、ひらめきを生み出す法則を紹介している。まずは、ひらめきの法則とは正反対のことをしてしまい、努力するほど疲弊してしまうことを防ぐために、NG行動をチェックしておこう。
・入門から勉強する
・落ちついてから考えようと宿題にする
・場所を変えてカフェで作業する
最後の章では、仕事のパートナーやチームのメンバーのひらめきを引き出し、部門やチームでの成果を上げる方法も紹介している。3つの法則を1つずつ理解し実践すれば、科学的な法則によって、これまでの努力が大きな成果に結びつくだろう。
菅原洋平(すがわら・ようへい)
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。1978年、青森県生まれ。国際医療福祉大学卒業後、作業療法士免許取得。民間病院精神科勤務後、国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事。その後、脳の機能を活かした人材開発を行うビジネスプランをもとに、ユークロニア株式会社を設立。著書は『すぐやる! 「行動力」を高める“科学的”な方法』、『思いつきで行動してしまう脳と考えすぎて行動できない脳』など多数。
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