新宿の100倍以上も星が見える”世界でいちばん素敵な夜空”とは? 日本の星空スポットは何県にある?

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公開日:2016/11/1


『世界でいちばん素敵な夜空の教室』(多摩六都科学館天文チーム/三才ブックス)

 みなさんは夜空に興味があるだろうか。都市部に住んでいる方は分からないかもしれないが、田舎で見上げる夜空は本当にきれいだ。黒のキャンバスにちりばめられた無数に輝く星。ひと際きらめく一番星を見つけて、ちょっとだけロマンチックな気分になる。ビルの明かりが煌々 と光る都会の夜景もいいが、真っ暗な闇の中で無数に広がる星たちがまたたく夜景もいい。秋も深まり、そろそろ冬にさしかかるこの時期、感傷的な気分に浸りたい方は、ぜひ夜空を見上げてほしい。自然の贅沢は、空を見上げれば無限に広がっている。「星の知識なんて全くないよ…」「見上げてもよく分からん」という方はご安心を。『世界でいちばん素敵な夜空の教室』(多摩六都科学館天文チーム/三才ブックス)に、思わず見上げたくなる夜空の秘密が書かれている。

 本書は、天の川やオーロラから月や星座の秘密まで、美しい夜空の景色とともに優しく紹介している。本書の美しい夜空の写真を見ていると、なんだか夜が待ち遠しくなってくる。夜になれば、写真と同じ景色が目の前に広がっているからだ。

 読者は、世界でいちばん夜空がきれいに見える場所をご存じだろうか。それは、ニュージーランドのテカポというところらしい。テカポは400人ほどが住む小さな村。周りに大きな都市もなく、空気が澄んでいるので、新宿の100倍以上も星が見えるそうだ。確かに、本書のテカポの夜空の写真を見ると、見たこともない星屑の景色が広がっている。写真で息をのむほどなので、実際にテカポに行ったとき、その壮大さにきっと言葉を失うだろう。ニュージーランド政府は、テカポを星空世界遺産にしようとしているらしい。海外旅行を計画している方は、テカポも候補に入れてみてはどうか 。

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 読者は、キラキラ光る星を見たことがあるだろうか。まるで星が手を振るようにキラキラとだ。夜空にある星は、点にしか見えない 。しかし、強い風が吹いて空気中の大気が複雑に動くと、星から地球に届く光が空気で屈折して、本当にキラキラ光って見えることがある。キラキラ光る星の正体は、空気の優しいいたずらが原因だったのだ。

 最後に、日本の星空観光スポットをご紹介しよう。福島県、群馬県、新潟県にまたがる尾瀬だ。霧の多い尾瀬では、「白虹」という珍しい現象を見ることができる。霧の水滴が月明かりを反射して虹ができるのだが、水滴が小さすぎて光の色が分散されず、真っ白い虹ができるという。本書に掲載されている写真の白虹は、見たことのない白い半円ができており、神秘的である。また、北海道の美瑛町、沖縄の石垣島、長野県の阿智村の夜空も美しいそうだ。満天の星空が期待できるという。特に石垣島は、日本のなかでは赤道に近いので 南十字星を見ることができるとか。都会の夜景に飽きてしまった方は、ぜひ世界中の星空観光スポットに足を運んでほしい。

文=いのうえゆきひろ