美人じゃなくても美人に見えるテクニックとは? 年齢を重ねると「似合わなくなる」服とは?
更新日:2016/11/28
90年代に一世を風靡したムーブメント“渋谷系”。音楽だけではなく、当時の都会的なファッショナブルなものの代名詞にもなっていた。フリッパーズギター、ORIGINAL LOVEなどキラ星のごとくいろんなバンドが現れたが、その代表的なバンドがピチカート・ファイヴ。そして、その3代目ヴォーカリストだったのが野宮真貴さんだ。
当時からさまざまなファッションを着こなしていた野宮さんは、ファッションアイコンとしても注目を浴びる存在だった。そんな野宮さんを師とあがめていたおしゃれ大好きな女の子たちも、いまやお肌の曲がり角…もとっくに過ぎた大人の女性。でも、大丈夫! そんな貴女のために、野宮さんがこれまでの経験に基づいた、大人の女性のための美人に見えるテクニックを惜しげもなく披露してくれるのが、『赤い口紅があればいい いつでもいちばん美人に見えるテクニック』(野宮真貴/幻冬舎)だ。
ファッショナブルな彼女のこと、いくつになっても好きなファッションを貫き通すのがおしゃれよ! と言うのかと思いきや、意外にもそうではなかった。ある一定の年齢以上の女性なら誰しも経験するような、加齢に伴う「あるある」、それに対してどのように対処すれば「おしゃれな人」になれるかを、懇切丁寧に教えてくれるのだ。
たとえば、芸能人でなくとも自分の写真をSNSで不特定多数の人に公開できる昨今、どうしたら満足のいく写真を撮ることができるか。野宮さんによると、それは一に「光」、二に「表情」、三に「自信」。「10年間落ち込まないためのパスポート写真」を撮るための、彼女のとんでもない工夫も披露されている。詳しくは、ぜひ本書でチェックしてほしい。
経験上、年齢を重ねると似合わなくなるとして、野宮さんが挙げている服。丸襟、洗いざらしのTシャツ、ミニスカート、ショートパンツ、タンクトップ、スキニーデニム、ダメージ加工のデニム…。納得する読者も少なくないと思うが、つまり、少女っぽいものや、カジュアルなもの、露出の多い服が「似合わなく」なる。
その一方で、野宮さんはこうも言っている。
私たち世代になるとどんなにゴージャスなものでも品よく着こなすことができるのです。毛皮や大ぶりのアクセサリー、赤い口紅も余裕です。
これからは「足し算のおしゃれ」を楽しむ時です。
(ちなみに、野宮さんはなんと50代!)
つまり、「若づくり」して、はたから見て痛いファッションをするのではなく、その年齢になったからこそ似合う服を着ることが、本当の「おしゃれ」ということ。そこで登場するのが、本書のタイトルにもなっている赤い口紅だ。
ハードルが高いと思われがちな赤い口紅だが、自分に似合う「赤」は必ずあるという。ノーメークでも、赤い口紅さえつければ“手をかけてる感” “きちんと感”を演出でき、顔を明るく華やかに見せてくれる効果もあるそう。今度口紅を買う時は、思いきって赤い口紅にチャレンジしてみては?
文=森野 薫