“怒らない風潮”に苦言! 哀川翔流子育ては、我が子も他人の子も怒る時はとことん怒る!
公開日:2016/11/8
Vシネマの帝王と呼ばれ、主演作は映画を含めて100本以上。近年では、バラエティ番組にも多数出演し、芸能界のアニキとして活躍中の哀川翔の生き方が詰まった一冊、『ブレずに生きれば道は拓ける! 一翔両断!!』(KADOKAWA)が発売中だ。同書は、仕事や遊び、健康法など、多くの人が生きていくうえで気になる事柄を「起きるのも、飲み始めるのも早い時間が得」「女に振られた時は一晩寝て諦めろ」など、哀川節でぶった切る、生き方指南書となっている。
なかでも印象的なのが、彼の男女観と子育て論だ。哀川翔といえば、夫婦仲がよく「2009年 よい夫婦の日ナイスカップル大賞」を受賞するほどの愛妻家であり、家族を大切にしているイメージが強い。一目惚れ奥さんとの結婚を決意に関しては……
「知り合って間もない頃、『子供が3人いるの』って言うから、俺も『あ、そう。またまた~』なんて信じてなかったんだけど、ホントにいたんだよね(笑)。『嘘だろ?』って思ったけど、俺はカミさんと付き合うつもりでいたから、事実は事実で受け入れるしかないじゃん。好きになったら関係ないってのは、そういうことだよね」
と、語っている。人によっては躊躇しかねない状況でも、自分のなかにある“好き”という感情を優先する、それが哀川流なのだ。
そうして、結婚と同時に3児の父となった哀川翔。そんな彼の子育て術も紹介しよう。現在は、奥さんの3人の連れ子に2人のお子さんが誕生し、7人家族となった(現在はお孫さんもいるとか)。いわゆる大家族だが、全員別け隔てなく接するようにしているという。
「扱いはみんな一緒。当たり前だよね。それはうちの子供に対してだけじゃなくて、うちに遊びに来た子に対してもそう。俺んちに来たら、誰でも自分の子供みたいに扱うから、俺は。他の家の子だろうと、悪さしたら普通に怒るしね。俺が主催する100人キャンプに来た子供たちに対しても接し方は同じ」
3人も5人も100人も“俺の子供”……。思わず「翔さんの子供にしてください!」と叫びそうになる一節だ。ただし、平等に愛するだけでなく、しっかり叱るのも哀川流。
「怒る時は、もうハンパじゃなく怒る。うちの長男なんか『今まで会った大人の中でいちばん怖い』って言うもんね。(中略)怒る時は自分の我で怒っちゃダメなんだよ。こいつを良くしようという“気持ち”で怒らないと。気持ちで怒ってやるのが愛情だし、それは相手だってわかるよ」
過去に、デパートの屋上で女子高生の喫煙現場を発見し「俺の前でぷかぷかタバコ吸ってんじゃねえ。もし吸うなら、隠れてどっかで吸え」と、言い放ち、タバコを取り上げたこともあるという。
「子供を注意するのに声を荒げたり、怒鳴ったりする必要はないの。淡々と、当たり前のことを真っすぐ言えばいい。それだけのことなんだ」
親子関係だけでなく、会社の上下関係など“怒らなければならない場面”は必ず訪れる。それを「嫌われたくないから」なんて理由で口をつぐむのは大きな間違い、と、近年の“怒らない風潮”にも苦言を呈する。う~ん、耳が痛い。
そのほかにも、苦手な食べ物「納豆」の存在を許せないといった意外な一面や、「好きなことを追っかけ続ければ何かにつながる」などの教訓まで、その人生観をあますところなく語っている。生き方に迷ったときは同書を開き、翔さんに“一翔両断”してもらべし!
文=フク・ロウ太郎(清談社)