いま大人が読んでもハマる!スヌーピーコミックの魅力とは? 放送作家・山田美保子とイラストレーター・平澤まりこが“スヌーピー愛”を語る!
公開日:2016/11/10
2016年11月10日号より雑誌『レタスクラブ』では、子どものころからスヌーピーファンである山田美保子さん、平澤まりこさんが、毎号1つおすすめのスヌーピーコミックを紹介する連載「with SNOOPY!」がスタート。おふたりに、スヌーピーの思い出と魅力、連載への意気込みをうかがいました。
スヌーピーを愛するお二人に、魅力を教えてもらいました!
――まず、おふたりのスヌーピーとの出会いについてお聞かせください。
平澤 10歳くらい年上の従兄弟が鶴書房の「ピーナッツ」コミックシリーズを持っていて、彼がアメリカに引っ越すときに、全60巻をくれたんです。当時の私は幼稚園児で、「こんなにもらっていいんだ!!」と大喜びでしたね。当時としてはビビッドな表紙のデザインや色にもときめきました。そのあと中高生くらいになったとき、久々にコミックをめくってみたら、それぞれのキャラクターがとてもいいことを言っているって気づいて。
山田 私は中学時代です。青学(青山学院大学)の付属校に通っていたんですけど、学校のそばの花の館ビルにサンリオのお店(Gift Gate)が入っていて、そこに寄り道するのが好きだったんです。友達がハローキティとか、パティ&ジミー、キキララに惹かれていく中で、私だけずっとスヌーピーが好きで。友達には「なんでまだスヌーピーなの?」なんて言われていましたね。
その後大学生になって、ファミリアでアルバイトをしていたんですが、ファミリアはスヌーピーグッズが充実していたので、スヌーピーから離れるきっかけを失ったというか(笑)。テレビ放送されていた「ピーナッツ」アニメーションもはまって見ていましたよ。チャーリー・ブラウンの声を谷啓さんが、ルーシーの声をうつみ宮土理さんがやっていたんです。
平澤 私も「花の館」が大好きでした! 通っていた幼稚園がその近くにあったので、母に連れられて、お友達とよく行っていました。私の定番は、ホットケーキと砂糖の入っているミルクだったのですが、そのストローが紙のストローで、スヌーピー柄だったんです。それで飲むのがうれしくって。
――本日は、思い入れのあるスヌーピーグッズもお持ちいただいています。やっぱりおふたりとも、ぬいぐるみですね。
平澤 このぬいぐるみは、気づいたときにはいつもそばにいました。他にもスヌーピーのぬいぐるみを持っていたのですが、このスヌーピーは相棒という感じで、一番長く一緒にいます。着せ替えが好きで、母にスヌーピーの洋服を作ってもらったり、従兄弟がアメリカから洋服を送ってくれたり。宇宙服やスヌーピー柄のTシャツなんてものもあったんですよ。
山田 私のぬいぐるみはファミリアのもので、約30年前、離婚をしたときに友達の男の子が私を慰めるためにくれたんです。あのときは本当にこの子に助けられました。あとは、私が初めての単行本を出したときに、担当編集の男性からいただいたスヌーピーのフィギュアや、昔つきあっていた彼がくれたペプシのボトルキャップ、誕生日に夫からもらったベルのバッグなど……。高校生のころから、不思議と周りの男性にもスヌーピー好きの方が多いんです。
連載「with SNOOPY!」がスタートします。
――連載では、毎回お気に入りコミックをピックアップしていただきますが、ピーナッツコミックのどんなところに惹かれましたか?
平澤 キャラクターものというと、ピンクやパステルカラーのものが多かったと思うのですが、親があまりそういうものが好まなかったんです。私もその影響で「ピーナッツ」のモノトーンで、原色がちょっとさし色で入るという世界観が好きになりました。あとは、チョコチップクッキーやホットチョコレートが普通に出てくるところにも憧れましたね。衝撃だったのは、ピーナッツコミックのなかではお弁当が紙袋に入っていたこと!
山田 本当に!! 私はスヌーピーのランチボックスを使っていたのですが、チャーリー・ブラウンたちはランチボックスじゃないんだって気づいて。また、大学時代にアメリカの家庭にホームステイをしたときには、コミックで見たようにホームパーティーが簡素でびっくりしました。クリスマスやバレンタインのほか、イースターやハロウィンなど、アメリカ文化を知るきっかけになったのもピーナッツコミックでした。新聞連載ということもあってか、原作者のシュルツさんは、そうした季節のイベントをとても大切にされていると感じます。
平澤 食べ物もイベントも、子どものころは今ほどアメリカの文化が身近ではなかったので、ピーナッツコミックを通して知ったことがたくさんありました。
――大人になって気づいた「ピーナッツ」の魅力はありますか?
山田 なんといっても谷川俊太郎さんの日本語訳の素晴らしさです。今思うと、それが「ピーナッツ」にはまった理由の1つかもしれません。
平澤 私にとっては、チャーリー・ブラウンとスヌーピーが普通の飼い主と犬という関係じゃない、というのが発見でした。そうだよね、犬だって対等だよね…って思って。でもその一方で、スヌーピーはウッドストックを鳥だからとちょっとだけ下に見ているような(笑)。
――「ピーナッツ」の中で、他に好きなキャラクターはいますか?
山田 ペパーミント パティ! 男前でかっこいいですよね。あんな友達がほしいです。
平澤 私もペパーミント パティは好きです。常に冷静で、ひどい目にあっても受け止めて動じない。あと、ルーシーも好きですね。コミックのなかでルーシーがよくやっている「心の相談室」に行ってみたい。
――男の子のキャラクターはどうでしょう?
平澤 やっぱりチャーリー・ブラウンはかわいいですね。弱い部分も自分なりに受け止めているところがいい。彼が率いる野球チームは負けてばっかりでダメダメなんだけど、一生懸命チームを引っ張っている。スヌーピーに冷たくされても、一途に愛情を注いでいて。ちょっとウジウジしているところもあるけれど、異性としても惹かれます。
山田 本当にそうですよね。他にはライナスはもちろん、いつもホコリまみれのピッグペンも、わが道をいっていてかわいいです。
――最後に、連載への意気込みをお聞かせください。
平澤 以前読んだシュルツさんの著書に「文字を読まなくても絵を見ただけでふっと笑ってしまうような、心があったかくなるようなことを描いていきたい」というようなことが書いてあって。同じように絵を描く身としては、それは本当に大事なことだなと思うんです。何度読んでも、絵を見ただけで伝わる力がある。連載では「ピーナッツ」のユーモアやちょっと皮肉の入った面白さはもちろんですが、一番は、シンプルに心があったかくなるような作品を紹介していきたいと思っています。
山田 ピーナッツコミックには、たった数コマの作品でも、特にすばらしいセリフひとつであたり、いわば「一筆入魂」を感じる作品があるんですよね。そういうものを選んでいきたいです。『レタスクラブ』の読者には、スヌーピーファンが多いと聞いていますし、責任重大だなと思います!
「with SNOOPY!」第1回は、11/10発売の『レタスクラブ』に掲載!
「with SNOOPY!」第1回が掲載される『レタスクラブ』は創刊29周年記念号。記念にふさわしく、スヌーピーのイラストが入った大容量のトートバッグが1冊に1つ、ついてきます。「AtoZ」をモチーフに表と裏で2つのデザインが楽しめるバッグは、A3サイズも入る大容量。たくさん荷物を入れても丈夫なキャンバス地なので、毎日のお買い物はもちろん、旅のお供に、荷物が多い日のサブバッグにと大活躍間違いなし!
『レタスクラブ』公式Webサイト「レタスクラブニュース」では、SNOOPYバッグのキャンペーンも実施中。バッグをあなたらしく持って撮影した写真に「#レタスにスヌーピートート」のハッシュタグをつけてツイッターから投稿するだけ。入賞者には豪華SNOOPYグッズが当たります。29周年記念を盛り上げる特集は「お母さん先生に習う楽うまおかず」。毎日の料理をがもっと楽しく、ラクになるレシピをたっぷり紹介しており、こちらも必見です。
もっとピーナッツコミックを読みたい人は、角川文庫で
「with SNOOPY!」でピーナッツコミックをもっと読みたい!と思った人には、角川文庫の『SNOOPY COMIC SELECTION』『SNOOPY COMIC ALL COLOR』シリーズがおすすめ。それぞれ、50’s、60’s、70’s、80’s、90’sと各年代ごとの選りすぐりコミック作品を収録しています。『COMIC SELECTION』は平日の新聞に連載されていた1~4コマのスヌーピーコミックを収録。『COMIC ALL COLOR』では、日曜日の新聞に掲載されていた「サンデー版」をオールカラーで掲載しています。年代ごとに異なる愛らしいスヌーピーの姿を楽しみながら、あなたのとっておきの1本を探してみては?
取材・文=新谷麻佐子 写真=松本順子
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