突然『猫』になった甥にポルノ小説家の叔父がした躾とは…猥雑で不条理すぎる愛の形
公開日:2016/11/24
ポルノ小説家の叔父×『猫』になった甥という奇妙なカップリングが話題のBL漫画『猫、22歳』が11月17日(木)に発売されました。今回はそれに合わせて作者の柳沢ゆきおさんにインタビュー!
――新刊の紹介をお願いします!
柳沢さん(以下、敬称略):あちこちで描き散らかした短編集となります。突然「猫」になった甥と厭人小説家、猟奇殺人鬼とゲイの教師、見せる筋肉と実用的な筋肉、戦争と平和と人(概念擬人化)。「猫」は表題に年齢が提示されているので「年齢を重ねること=時間」も主題の一つにしようと企みました。
▲『猫、22歳』より
▲『皿の上の明くる日。』より
――メインカップルはどんな攻×受ですか?
柳沢:賢しい少年が狡い大人になったのに気付かない健気なオッサンです。甥の方が貪欲で、小説家の方が怖がりなんでしょう、多分。
▲『猫、22歳』より
――当て馬や重要な脇役は?
柳沢:「戦争は平和」の概念人間「友愛」が一人だけふくよかなのは気に入っています。
▲『戦争は平和』より
――今作のこだわりポイントはどのあたりでしょう?
柳沢:表題作の「猫、22歳」では「田舎」という表現に過ぎなかった窓の外の風景を、描き下ろしでは「時間」を汲む為に意識して描きました。
――BLとの出会いを教えてください!
柳沢:新潟の海に家族で旅行で出掛けた時に宿泊した謎の宿に謎の図書部屋がありまして、そこで発見したパタリロだったような気がします。当時小学生だった自分は男女の概念も曖昧だったので取り敢えず「犬の卒倒=ワンパターン」を覚えました。
――BLに限らず、影響を受けた作品はありますか?
柳沢:石森章太郎先生の「変身忍者嵐」と「佐武と市捕物控」は、頭を殴られたような衝撃を受けました。幼少期に模写をしたのは大友克洋先生と岩明均先生です。
――漫画を描くうえで一番好きな作業は何ですか?
柳沢:コマ割り以外の全て(コマ割りだけは定規ありきの「作業」に思えてならないので)。今は「目」を描くのが好きです。感情重視で形を疎かにするのが理想です。
――この記事の読者にメッセージをどうぞ★
柳沢:BLでは久方振りの単行本となります。毒が強めの作品が多いような気もしますが、少しでもニヤッとしていただけたら嬉しいです。
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『猫、22歳』
ある日やってきたのは、ひとりの『猫』。彼は「にゃあ」と鳴き、床に手をついてミルクをすする。甥の志朗はなんの前触れもなく突然そうなった。志朗を預かることになったポルノ小説家の昇平は、『猫』としての彼と暮らしはじめる―…。