「女子力なんて必要ない!」現役モデルが語る新時代の美のルール

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公開日:2016/11/30

 美容法でもダイエット法でも「モデルがやっている」と言われると、なんだか少し萎縮する。キレイにならなければと思っている女性ほど、「この人たちは元がいいから」と卑屈な気持ちになってしまうのだ。

 しかし先日出版された『モデルール 人気モデルがやっている28のシークレットレッスン』(以下、『モデルール』)はこれまでのいわゆるモデル本とはまったく違う。そこには、自分の美しさを武器に厳しい世界で戦う現役モデルたちの「美の基準はひとつじゃない!」というメッセージがつまっていた。

 今回『モデルール』に登場する8人の人気モデルの中から代表して、有末麻祐子さんと香川沙耶さんのおふたりに、自身の美しさのルールについてお話を伺った。

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(左から)有末麻祐子さん、香川沙耶さん

【プロフィール】

有末麻祐子
『Hana*chu →』、『Seventee n』、『ViVi』のモデルを経て、『JJ』専属モデルに。こなれ感のあるカジュアルファッションが得意で、ファンも多い。ファッションショーでも活躍。人情味溢れる性格で、場をパーッと明るくしてくれるムードメーカー。

香川沙耶
日本とフィリピンのハーフ。『Oggi』 専属モデルとして活躍中。日本人離れした美脚と小顔で、驚異の10頭身モデル! “健康的で、美しく、そして、かっこよさを追求する”大会「BEST BODY JAPAN」にて総合グランプリを獲得。天真爛漫で、いつも現場に笑いを提供してくれる三枚目の一面も。

ボサボサの髪も目の下のクマも「頑張ってる証」なら美しい

──『モデルール』は「美しさ」がテーマの本だと思うのですが、おふたりが思う美しさの定義について教えてください。

香川 品がある人は美しいと思う。私はセクシー担当だから、必然的にそういう人たちを多く見てきたんだけど、セクシーさひとつとっても人によってぜんぜん違うの! 内面からにじみ出るような品がある人は、ぜんぜん露出してなくても色気があって美しいと思う。

──品を身につけるためにやっていることや、目標にしている人はいますか?

香川 目標にしてる人はいないんです。自分らしいのが1番だから。もちろん好きな人のいいところはたくさん取り入れたいけど、それを自分らしさを合わせてオリジナルを追求したい。でも私、まだまだ品が足りないと思う。これからいろいろな経験をするなかで身につくといいな。5年後はもっとキレイになってるかも!(笑)

──これからも日々美しくなっていくんですね……! 有末さんはどうですか?

有末 私は、美しさの定義って絶対ひとつじゃないと思う。みんな人それぞれ違う美しさを持ってるはず。シワがあっても、スタイルがいいわけじゃなくても、うっとりするほどキレイだなって人たくさんいますよ。それって見た目の問題じゃなくて姿勢とか、周りの人への態度とか、言葉遣いとか、そういうささいな部分なんです。

香川 それわかる! ものすごくベーシックな部分だよね。なにかを足していくんじゃなくて、削ぎ落としたときに残るものがどれだけ素晴らしいかだよね。

有末 飾り立てるんじゃなくて、自分自身を洗練させていくのが本当の美しさだと思う。

──なるほど……! 無理に飾り立てても本当の美しさにはつながらないということですね。

有末 本当に無理する必要ないと思う。痛くて辛いのに高いヒールをはいて足を引きずって歩くくらいなら、ぺたんこ靴で颯爽と歩いた方が絶対キレイだもん。

──女の人がつい無理しちゃうのって、周りの目が気になるからな気がするんです。仕事が忙しくて疲れた顔してると上司に「女子力がない」って言われるとか……。

香川 女子力とか「うるさい!」って感じ! そういう他人に評価されるための基準はまったく気にしなくていいと思う。

有末 疲れてる姿だって輝いてるよね。髪がボサボサだったとしても、頑張ってる証拠だもん。

香川 本当にそう思う! クマってみんな必死に隠したがるけど、一生懸命仕事してる証。自然体な方が人間らしくてキレイだと思う。


肌だけは美しくしておくこと。これからの季節は乾燥対策が必須

──キレイでいたいと思っていても、疲れているとモチベーションが上がらないんですよね。おふたりもそういうときはあると思うんですが、それでも絶対に欠かさないケアはありますか?

香川 お風呂上がりにボディクリームを塗るのは絶対。肌を見せる撮影が多いので、肌には気を使ってます。

有末 基本的にめんどくさがりなんですが、私も肌のケアだけはきちんとやるようにしてます。肌がキレイな人はやっぱりキレイだなって思うから。


──なるほど。これからの季節はとくに乾燥しやすいですが、秋冬特別の肌ケア方法はありますか?

有末 とにかく保湿! クリームとかオイルとかとにかくたっぷり使う。それと最近は、リップケアを重点的にやっています。油分が多いリップクリームを塗って、ラップでパックするとびっくりするほど潤うんです。

香川 それと、なるべく水分を多く摂るようにするといいと思います。内側から外側からも乾燥対策しないと。あとなにより、暖かくして寝ること大切。

──肌ケアについてお話していただきましたが、スタイル維持に関してはどうですか? 秋冬って太りやすい気がして……!

香川 ジムには通ってるけど、ストイックにはやってないかな。自分が運動したいと思ったときに行く感じ。無理して通うより、そっち方が効果も出やすいんです。あとはとにかく自由に生きること!

有末 美容もダイエットも、目に見えて効果が出ると楽しいからいろいろやってみるけど、無理は絶対にしない。バランス良く食べて、運動する、それだけ!

香川 無理やり炭水化物抜くとか甘いもの食べないとかありえない。内面がおかしくなっちゃいそう……。それだと、いくらやせても美しくはなれないと思う。

──キレイになりたいからと、無理をしてしまうのが1番遠回りなのかもしれませんね。キレイになりたいと願う女性たちにメッセージをお願いします!

有末 私もこれから、どんどん自分磨きをしていきたいと思っています。だから一緒に頑張りましょう。でも、キレイにならなきゃって無理をする必要は絶対ない! 毎日を楽しく生きてたら、自分なりの美しさが開花する瞬間があるはず。疲れたら休憩したっていいんだもん。自分のペースでいいと思います。

香川 美しくなるのって、誰でもない自分のためだよ。だからこそすごく楽しい。大変だったら無理しなくていいし、周りの人の目を気にしたり、誰かと自分を比べたりしちゃダメ。キレイになりたいって自分の声だけに耳を傾けてください。

──ありがとうございました!

 なんとなく「女は身綺麗にしておかなくてはいけない」という強迫観念を感じるような社会にあって、「美しくなるのは楽しいこと」「楽しく生きていれば美しさが開花する」という言葉は、女性たちの心にじんわりとあたたかさをもたらしてくれるのではないだろうか。

 女子力だとか女らしさだとか、周囲から判断される基準に惑わされず、自分らしく楽しく生きていくことが、新時代の美しさのルールなのかもしれない。

文=近藤世菜