ナンパのために携帯の番号まで晒してしまう?! 捨て身のナンパ作戦とは? 【クレイジーな著者に話を聞いてみた】
公開日:2016/12/2
ナンパ――面識のない者に対して、公共の場で会話、遊びに誘う行為(Wikipediaより引用)
ナンパをしたことがある人もない人も、ナンパとはどういうものであるか想像できるだろう。「お茶に行きませんか?」「これから飲みに行かない?」という王道の誘い文句が思い浮かぶはずだ。
今回紹介する『「裏モノJAPAN」編集部セントウのクレイジーナンパ大作戦20』(仙頭正教/鉄人社)では著者である仙頭正教氏(自称・マーくん)が、あの手この手を使ってナンパで女の子をハンティングしようという内容。しかし、そのやり口がかなり“ぶっとんで”いる。
例えば、高校野球地区予選が行われている時期に、頭を丸刈りにし、球児の恰好に扮したマーくんが「甲子園に行きたかった」と涙を流し、女性に声をかけるもの。東大の合格発表に合わせ、学生服に丸眼鏡、東大の赤本を片手に「八浪決定だ…」と嘆きながら女性に声をかけるものなど。極め付きは、マーくんの携帯電話の番号と顔写真を大きく印刷した看板を新幹線が通るたびにデカデカと掲げるものまで。ちなみにその看板の顔写真と電話番号が本書の表紙になっているのだからまさに“クレイジー”そのもの。いずれも雑誌『裏モノJAPAN』(鉄人社)の企画の一部であるが、この度再編集され、書籍化に至ったというわけだ。ある意味すべてをかけてナンパに励む仙頭正教氏にインタビューを敢行した。
本書では「普通そんなのやらないだろう」という常軌を逸しているようなナンパの数々を実践してきたマーくん。中でも印象深かったナンパは何だったのだろう。
「高校球児のナンパ企画ですね。正直やってて恥ずかしいし、何やってるのって感じじゃないですか。こんな怪しい恰好じゃ、誰も相手にしないだろうって。でも、結果として成功したんですよ。意外と受け入れてくれる人がいるっていう、世の中の不思議を実感できました」
―これまで手ごたえがあったナンパは?
「東大八浪のナンパとかですかね。大体気持ち悪がられるんですけど、30代後半の地味めな女の子がすごく慰めてくれて。最後までお持ち帰りとまでは行かなかったけど、カラオケに一緒に行ってくれました。結局、成功のカギは“出会い”なんですよね。世の中にはクレイジーな投げかけで、それをキャッチして投げ返してくれる子がいるんです。まぁ、そんなボールに食いついてくる子はクセが強いですけど(笑)」
―逆にこれまでに辛かったことは?
「一昨年のハロウィンに『朝ズバ!』のみのもんたさんのコスプレをしたんです。ほら、みのさんって番組内でのセクハラが問題になったじゃないですか。だから、そのコスプレで『朝ズバ!』ってポーズ決めて、ハロウィンで浮かれた女子たちにお触りするんです。それで、その気になった女の子をお持ち帰り…みたいな企画で。当たり前ですけど、『バカ』『死ね』『変態』ってもうボロクソ。30後半のオッサンがそんなこと面と向かって言われることないじゃないですか。しかも9時間近くぶっ通しで。成果もなく、帰りに一人でラーメン食ってたら急に涙が出てきて止まらなかった。『オレ何やってるんだろう』って。あの時はホントにつらかった…」
本の表紙ではマーくんが私用で使っている携帯の電話番号を載せている。取材交渉を行った際には、記載されているそのままの番号から着信が。本当に普段使いの携帯なのかと驚いたが、女の子から電話がかかってくることはあるのだろうか。
「一人だけ女性から電話がかかってきたんです! 40代の女性なんですけど、11月後半に会う約束をしてます。あとはほとんどがイタズラ電話ですね。中でも不気味なのが、いつも『フィッフィッフー』って口笛で独特のリズムを刻んでくる人。ホントに何度も着信が入って、一度『電車に乗ってるから20分後にかけて』って言ったら、本当に20分後にかけてきて。案外律儀ですよね(笑)。最近では新展開で、口笛のメロディが少し変わったみたいなんです」
それって、だいぶ怖いのでは…。でも仙頭氏はそんなイタズラ電話も楽しんでいる様子だ。これまで、数々の伝説的ナンパを行ってきたマーくんであるが、今後やってみたいナンパはあるのだろうか。
「トイレ屋ですかね。ほら花見や花火、祭りのときとか女子トイレって混むじゃないですか。会場の近くで軽トラに簡易トイレを乗せて無料で貸すんです。それで、使い心地はどうだったかメールしてくださいってチラシを配るんですよ」
喜々として語ってくれたマーくんだったが、きっと盗撮疑惑とかで警察に目をつけられるんじゃ…。新たな伝説の予感だ。最後に、仙頭さんのようなクレイジーナンパなんてできない、とはいえ普通のナンパもできない。そんなボクらのような読者に一言おねがいします!
「強引に行けということです。女の子と二人っきりで飲みに行ったら、きっと向こうは抱かれてもいいって思ってる。そう信じてグイグイ行っちゃいましょう。何が起こるかわからないんです。意外に食いついてくれる人はいるものですよ」
「得たものよりも失ったものの方が多い。特に友達とか…」と語ってくれた仙頭氏であるが、一読者・一ファンとして、これからも新たな伝説を紡いでいただきたい。そして、この記事を読んでマーくんに興味を持ったそこの貴女。本書の表紙に書かれた携帯電話に連絡を入れてみてはどうだろうか。
文=冴島友貴