京都で泊まるなら旅館? それともホテル? 京都に行く前に知っておくと得する50の知識
公開日:2016/12/10
日本国内の観光地の中でも、特に多くの人が集まる古都・京都。そんな京都を紹介するガイドブックは多いのだが、本当に使い勝手のよい物は意外と少ない。そこで、初めて京都を訪れる観光客でも、気軽な日帰り旅を楽しむ関西在住の人でも役に立つ、超実践的なガイドブック『京都に行く前に知っておくと得する50の知識 初心者からリピーターまで、京都に行くならどっち!?』(柏井壽/ワニブックス)を取り上げる。
京都を知り尽くした生粋の京都人が案内人
この本の著者は、古都京都を舞台にした小説やエッセイを書いている生粋の京都人・柏井壽氏。彼は、京都は迷いが多い街だと言っている。それは選択肢が多すぎるという意味だ。選べるパターンが多いと、さんざん悩んで選んだ結果であっても、あっちを選んでおいた方が正解だったのかもしれないと悩みかねない。迷うということは奥深いということにもつながるのだが、せっかく京都旅行に訪れても、何かを選ぶたびに迷いを繰り返し、結果に一喜一憂していたのでは、見るべきものも見損なってしまいもったいない。そこで、著者が知っている情報を駆使してガイドブックに仕上げることにした。内容的には、初心者でもリピーターでも、地元に住んでいる人でも役立つものを集めている
京都市内では地名番地は役に立たない
京都市内を巡るとき、覚えておくべきことは、他の観光地のような地名番地を告げても、タクシーの運転手でさえその場所にはたどり着けないということ。ましてや、地元の商店で道を尋ねても無駄だという。京都市内は大きい通りのすべてに名前が付いていて、街はそれらの通りによって碁盤の目のように整然と仕切られている。そのため、すべての人が通りの名前で街を把握しているため、通りの名前で伝えればすぐに案内してもらえるのに、地名番地で言うとわからないというのだ。今どきのガイドブックの中には、京都の観光スポットの住所をご丁寧に地名番地で書いているものもあるが、それは無意味だという。
京都の街は自転車よりも歩きが断然ラク
京都観光は、大まかな移動は地下鉄やバスでしたうえで、徒歩で回るのが基本。レンタサイクルは借りられるがやめた方がいいと柏井氏は言う。というのも、メインの通りは、昼間自転車の通行が禁止になっているうえに、駐輪スペースが極端に少ないからだ。しかも、一見平たんな京都の街だが、南から北へ上っている地形のため、下手に自転車を使ってしまうと移動に苦労する。歩きだったら、疲れたところからバスにもタクシーにも乗れて便利というわけだ。
京都を満喫するなら旅館よりもホテル
京都というと和のイメージが強く、和風の老舗旅館に泊まりたいと考える人も多いだろう。しかし、旅館は基本的に食事付きだから、目当てのお店で食事を楽しみたい人には向いていない。それこそ、観光よりもお店での食事よりも、旅館を楽しみに来たと言えるくらいの人でないと、京都の日本旅館は満喫できないかもしれない。京都の夜も楽しみたいという人は、素泊まりでホテルという選択がおすすめだと柏井氏は言う。
京都の桜や紅葉は早朝がおすすめ
京都には桜の花見や紅葉見物の有名スポットが多いが、柏井氏の一押しは、ライトアップを行わない名所の早朝散歩だ。ライトアップされて疲れ果てた花や葉を見るよりも朝一番の方が美しいというのもあるが、ブルーシートなどで場所取りされていないところの方が落ち着いて見られるという意味も含まれている。
他にも、庭園は何も考えずに楽しみたいなら平安神宮、思索に耽りたければ龍安寺がおすすめという提案や、京都市内の移動は、観光シーズンは道が混むため地下鉄がいいが、それ以外のときは本数が多く市内を縦横無尽に走っているバスがおすすめなどなど…。これまでのガイドにはなかった、かゆいところに手が届くガイドぶりがうれしい1冊だ。
文=大石みずき