まるで「食事の処方箋」! 正しい栄養知識が、あなたを病気知らずのカラダにする!!
更新日:2016/12/29
テレビ、ネットでは、新しい健康知識が次から次へと提唱される。結局、何が本当にカラダにいいことなのか、分からなくなることはないだろうか?
『カラダの悩みは食べ方で99%解決する クスリに頼らない食事術』(川端理香/ゴルフダイジェスト社)は、管理栄養士であり、スポーツ栄養学の第一人者として、様々なアスリートの食事指導を行う著者の「ブームに流されることなく、自分のカラダに合った食べ方を見つけるため」「正しい栄養知識」を持ってほしいという熱い想いから生まれた一冊だ。
栄養ドリンクの飲み過ぎは逆効果!?
「疲れた時は栄養ドリンク」が習慣化している方にも、注意してもらいたいことがある。栄養ドリンクに含まれているカフェインは、とり過ぎると肝臓に負担がかかり、疲労回復どころか、よりカラダを疲れさせてしまう場合があるのだ。原因不明のだるさ、慢性疲労にお困りの方は、栄養ドリンクよりも食事で改善した方がベスト。
食べ過ぎをやめ、脂っこいものを多く食べないようにし、「タンパク質」「ビタミンB1」(豚肉、ウナギ、レバー、ゴマ)、「ビタミンB2」(納豆、牛乳)、「タウリン」(イカ、タコ)これらの栄養を積極的に取り入れていくとよい。
「一度にたくさん」より「こまめに」
料理で言えば八宝菜、杏仁豆腐、クリームシチューなどがおススメ。ただし、これらの栄養素は尿から排泄されてしまうので、「一度にたくさん」ではなく「こまめに」とる方が効果的だ。
このように、本書は「症状別の食べ方」をいくつも掲載している。例えば「膝痛・腰痛・ひじ痛」には、よく言われる「コンドロイチン、グルコサミン」のほかに「ビタミンC」も一緒にとると効果がアップし、免疫力も高まるそう。そのためにお勧めのメニューは「メカブ納豆」「手羽先の煮物」などがいい……と言ったように、具体的な「身体の悩み」とそれを改善するために必要な「栄養」と「メニュー」を教えてくれているので、自分の悩みに合わせて料理を作ることができるようになっている。個人的に一番気になっている「肩こり」には「水分」と「ビタミンE」を取るといいらしいので、お勧めメニューとして紹介されている「マグロとアボカドのサラダ」をさっそく作ろうと思う。
一番驚いたのは「油」への認識だ。油は種類を問わずどんな物でも身体に悪く、あまり摂取しない方がいいと思っていたのだが、必ずしも油は「不健康」なものではないそうだ。詳細は本書を手に取って、ぜひ読んでみてほしいと思う。
本書で正しい栄養知識を身に付ければ、「自分には何が本当に必要なのか」を判断できるようになる。そして、日ごろのちょっとした食べ方の「見直し」で「クスリ要らず」のカラダになれる。一時の健康ブームに踊らされるより、正しい栄養知識を身に付けることが、本当の「健康」に近づく第一歩になることを、本書で実感してみてはいかがだろうか?
文=雨野裾