お金が貯まる人のバッグの中身は7つまで!「モノのコスト」について考える

暮らし

更新日:2017/1/30

 「お金のこと」は人生で大切であるにも関わらず、あまり話すこともなく、また小さいころから習う機会がなかった人が多いのではないでしょうか。私の新著「美しく生きる女のお金の作法」から、お金の作法が身に付き日々が美しく変わる習慣をご紹介します。

■あなたのバッグの中身見せてください

 「あなたのバッグの中身、見せてください」
突然そう言われたら、あなたはどうしますか?
「ええ、いいですよ。ほら」とすぐにバッグの中身を取り出せる人はきっと少数派で、ほとんどの女性は少し恥ずかしいのではないでしょうか? それは、多くの方が自分がバックに入れたものをすべて把握しきれていないことに理由があるのだと思います。

 お金のセンスを磨いている女性は、バッグの中身が洗練されています。洗練されているとは、「数が少ない」ということです。なぜ「持ち物の数が少ない人はマネーセンスがある」と言えるのでしょう。それは、持ち物を減らそうと努力できる人は、“モノのコスト”に敏感だからです。“モノのコスト”というと、それが商品として売られていた時に購入した価格をすぐにイメージするかもしれませんが、モノは「買った後」にもお金がかかります。モノを買った後にかかる2つのコスト。それはモノが占有するスペースにかかるコストと維持にかかるコストです。買い物を例に考えてみましょう。

advertisement

■モノのコストとは

 私たちが何かモノを買い、自宅に持ち込むと、そのモノを所有するために必要なスペースにもしっかりと「家賃」が発生するのです。日用品のセールや、増税などの値上げ前には、つい「買いだめ」をしたくなりますね。でも、ちょっと冷静になって頭の中の電卓をたたいてみてください。たとえば、特売セールでトイレットペーパー12ロールセットを3点ほどまとめて購入したとします。確かに1セット当たりのお値段は数十円安くなったかもしれませんが、すべてを使い切るまでの保管場所としてスペースを占有しているのです。同じように「すぐには使わないけれど、とりあえず買っておいたモノ」をすべて合わせると、どれくらいのスペースを占めているでしょうか?

 仮に、住まいの面積の内、倉庫として使用するスペースが「10分の1」を占めていると仮定してみましょう。東京では一人あたりの平均家賃は月7万円ほどかかると言われています。この平均家賃に当てはめてみると、「すぐには必要ないけれど、とりあえず買ったモノ」につき7000円も家賃を払っていることになるのです。年間にするとなんと8万4000円。同じような買い物の習慣を続けていくと、10年で84万円もの出費になります。購入時に「安く買って得した」と感じた金額と比較して保管にかかるスペースコストがいかに大きいか感じられたかと思います。

 ここ数年、注目されている「ミニマリスト(モノを最小限に抑えて暮らすライフスタイルの実践者)」という生き方にも通じると言えるでしょう。目先のオトクではなく、“目に見えにくいコスト”に気づき、合理的な選択をしていく思考を習慣づけしていれば、お金の教養レベルも高まっていきます。やるべきことはシンプルで、「モノを増やしすぎない」を心がけるだけです。そのレッスンとして始めやすいのが、毎日使う「バッグの中身」から実践することなのです。モノを減らすメリットはいろいろありますが、まず、行動に無駄がなくなります。必要なモノを探すことが容易になって、何かをしようと思い立ったときにすぐに始められます。探し物の時間が減る分、本当に時間を費やしたいことに時間をかけられます。

 では、実際にどうやってバッグの中身を減らしたらいいでしょうか? その方法についてもお伝えしておきましょう。

■バッグの中身をシンプルに磨く

 最近は、スマートフォンの多機能化によって、メモ帳や手帳を持ち歩かなくなったり、定期券をクレジットカードと一体化して財布に入れていたりと、“モノの集約化”をしやすくなっています。思い切って、機能をまとめられるものはまとめて、「バッグの中身を7つまで絞る」というのを実践してみませんか? 内訳は次の通りです。

 ・財布(定期券を含む)
 ・スマートフォン(手帳やメモ帳の機能を含む)
 ・化粧ポーチ(ティッシュなどもこの中に)
 ・ハンカチ
 ・ペン
 ・家の鍵

 ポイントは、機能をまとめられるものはまとめてモノの個数を減らすこと。

 モノの数を一つ減らせるたびに、「マネーセンスが磨かれた!」と自分を褒めてあげてください。私の場合は黒・赤・シャープペンシルが一体化したタイプのペンを愛用しています。これなら、鉛筆で書きたいメモから赤字で書きたい原稿のチェックまで、筆記は何でもこなしてしまいます。買い物をするときに、「一つで何役もこなせるアイテム」を積極的に見つけるといいでしょう。

 ここまでで、6つバッグの中身をご紹介しましたが、最後に私がおすすめしたいのは、「本」です。今のあなたがインプットしたいと思える質の高い情報を得られる本を1冊常にバッグの中にしのばせておくのはいかがでしょうか。たとえば、移動中に少し時間が空いたときに、暇つぶしにスマートフォンを眺めるよりも、さっとバッグから本を取り出してページをめくるふるまいは美しいと私には感じられます。

 必要最小限の持ち物と自分の中身を磨く本だけが入ったバッグを持ち歩く。そんな毎日を続けていけば、「生きるセンス」が確実に高まっていきます。

【関連書籍】

文=citrus大竹 のり子