「きょうだい型」性格の特徴をつかめば義実家でもうまくいく!
公開日:2017/1/11
正月休みと浮かれてばかりはいられないのが、夫(妻)の実家訪問。顔を合わせると何かしら余計なひと言を繰り出す義姉に、偉そうな義兄。お調子ものの義妹に、落ち着きのない義弟……。なぜ、義理のきょうだいとのつきあいは、こんなにも人をいらだたせたり、気を揉ませたりするのか。『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち「きょうだい型」性格分析&コミュニケーション』(Discover21)の著者で、心理カウンセラーの五百田達成さんに聞いた。
人の性格は「きょうだい型」に支配されている
「“三つ子の魂、百まで”ということわざがありますが、私たちの性格は小さい頃に体験した親やきょうだいとの関係に大きく影響を受けています。『長子』『末子』『中間子』『一人っ子』という4つの“きょうだい型”によって、性格や行動特性は驚くほど異なります」(五百田さん)
1)長子(きょうだいのいちばん上)……ひと言で言い表すなら「王様」「女王様」。幼い頃から弟や妹の面倒を見てきたこともあり、面倒見がよく、おせっかい。家庭で常に“いちばん”として扱われてきたせいか、相手の繊細な感情に気付かず、「デリカシーがない」と批判される場面も。
2)末子(きょうだいのいちばん下)ノリと愛嬌だけは誰にも負けない、家庭内の「アイドル」的存在。小さい頃から長子や中間子をお手本、あるいは反面教師にして、要領よく立ち回ってきた歴史がある。何かにつけてむだを嫌い、損得を計算しすぎる傾向も見られる。
3)中間子(3人以上のきょうだいの長子と末子以外)……キーワードは「思春期」。親に注目されない“愛情のエアポケット”に陥りがちだったため、周囲の状況や思惑を気にする。繊細な性格で、いつでも人間関係に気を配れる“人づきあいのエキスパート”である。
4)一人っ子(きょうだいがいない)……世間の常識にとらわれず、独自のルールでマイペースに行動する。きょうだいゲンカなどを経験しないまま、大人になるため、人との距離の取り方が独特。批判されても、「何のこと?」と首をかしげる図太さも。
「これら4タイプの特徴がわかると、苦手意識を持っていた相手とスムーズにやりとりできる手がかりがつかめます。例えば、“押しつけがましく、面倒くさいお義姉さん”は、長子ならではの世話焼き癖が発動しているのかもしれません。“発言がテキトーで信用ならない義弟”も単に、末子として場を盛り上げることに夢中になっている可能性があります」(五百田さん)
“配偶者のきょうだい型”で扱われるというストレス要因
さらに、義理のきょうだいが相手の場合、「“配偶者のきょうだい型”で扱われることでストレスが生じる可能性もある」と五百田さんは指摘する。一体どういうことなのか。
ある夫婦の例を見てみよう。美香子さん(仮名・33歳)は3人姉妹の長女だが、夫の直之さん(仮名・35歳)には姉が二人いる末子だ。
美香子さんは長女としての責任感もあり、お正月やお盆には必ず、両方の実家に顔を出す。自分の実家に行くときは、美香子さん夫婦の都合に合わせ、近所に住む妹たちも駆けつける。親も何かあれば、「お姉ちゃん、どうすればいいと思う?」と美香子さんに相談する。美香子さん自身も長女として采配をふるうのが当然だと思っている。一方、夫である直之さんの実家では立場がガラリと変わる。姉の都合に合わせた日程を通告され、行けば行ったで「美香子さん、ちょっと」「直之、あれ買ってきて」と夫婦でこき使われる。「貯金してるの?」「仕事はどうなの?」といった親や姉の質問攻めに、美香子さんはウンザリ。直之さんはまるで平気なようだ。
「配偶者の実家では多くの場合、配偶者の“きょうだい型”で扱われます。長子として家庭内で常に“いちばん”として扱われてきた美香子さんにとって、夫の実家での“下っ端”扱いは腹立たしいことでしょう。でも、夫の直之さんからすると、妻の実家で何かにつけて頼られるほうがよほど居心地が悪いと感じているかもしれません」
義理のきょうだい間で生じる軋轢やストレス。どうすれば回避できるのだろうか。
「お互いに“ゲスト”として尊重し合うのが望ましいですが、相手もあることだし、なかなか難しいところもありますよね。どうにも《親しき仲にも礼儀あり》が通用しなさそうな場合は、思い切って配偶者のきょうだい型をコスプレのように楽しんでみましょう」(五百田さん)
リーダーシップを発揮する長子に、人間関係を瞬時に見極める中間子、要領よく盛り上げる末子、マイペースを貫くひとりっ子。親戚一同が集まるお正月は、それぞれの“キャラ芸”を体得するチャンスでもあるのだ。
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文=citrus島影真奈美