夢を早く叶えたいなら月1回の飲み会で皆に相談プラス応援を! ひとりで頑張らない楽しい夢の叶え方
更新日:2017/2/6
世の中には自己啓発本が数多く存在する。『実践! 世界一ふざけた夢の叶え方』(ひすいこたろう、菅野一勢、柳田厚志/フォレスト出版)もそんなカテゴリーの中の1冊だ。内容は、ビジネスや人生での夢の叶え方を紹介したものだ。「いかに自分がダメかは世界で一番、自分がよーくわかっている。でも、そんな自分をゆるしてあげられたら、どうなると思う?」「遠慮はいらない。妥協はいらない。あなたの歌を歌えばいいんだ。」などの言葉たちは、八方塞がりな自分を慰めてくれる。が、一方で、またかと辟易もする。本書に、他の類書に埋もれないだけの魅力はあるのだろうか?
本書の著者は3人だが、実際にこの企画に参加しているのは4人。斎藤一人氏のファンという共通点で繋がった男性たちだ。(ちなみに、斎藤一人氏というのは、高額納税者ベスト10に12年連続ランクインしている人物。)彼ら4人は月1回、飲み会の場を設けて、それぞれの夢を応援しあった。すると、思ったよりも早く、なんと約1年で個々の夢が叶ってしまったのだ。飲み会で応援とは、なんとも軽い感じがするが、実行したことは次の通りだ。
どうやったら自分の夢が叶うか他の3人に相談する。
例えば、「作家になりたいんだけど、どうすればいいのかなあ」とA氏が言えば、「じゃあ、毎日文章書かなきゃね」と誰かが答える。こんな単純なこともわからないの?と思った方もいるだろう。でも、案外、自分に対してよりも、他人に対する方が、明確な答えを引き出せるのかもしれない。A氏が「書いた文章を世間の誰かに読んで欲しい」と言うと、他の3人から「ブログ始めたら?」「ネットに詳しい知り合いを紹介しよう」などと意見が出てくる。こうして、作家になりたかったA氏は、本当に作家になってしまったそうだ。
この飲み会の中で、彼らが気づいたことがある。それは“自分一人の願望は叶いにくく、皆が喜ぶ願望の方が叶いやすい”ということだ。A氏の作家という夢も、自身が名声を得たいがためだけの夢だったら、誰も彼を応援しようとは思わない。さいわい、A氏の夢の出所は、作家になって人々が物の見方を変えて希望を持ってくれたら、その手助けができたら、という思いにあった。だからこそ他の3人は、それならばA氏の書く物を読みたい、A氏に作家になってほしい、と協力したという。
また、仲間と応援しあうことには、次のような利点もある。“自分の知らない才能に気づく”ことだ。あなたは自分という人間のすべてを知っているだろうか? おそらく、自分ではわからないが他人にはわかっている、という部分が存在するだろう。これを放置しておくのはもったいない。実際、作家志望のA氏の場合、「声がいいから、人前で話すといいんじゃないですか?」と、自覚していなかった部分を褒められた上での提案をされ、とても驚いたことがあるそうだ。もちろん自分という人間の中には、自分にも他人にもわかっていない部分だってある。すべてを一気に見つけることはできないかもしれないが、自分について少しでも多くを知ることは、有意義なことに違いない。
著者たちは、夢に向かってがむしゃらに頑張っているというのではなく、どこまでもゆるい。そして明るい。自分が夢中になれることをためらわずにやる姿勢は、とても楽しそうだ。よくあるお酒の席は、ストレス発散とばかりに愚痴の言い合いになりがち。こんなポジティブな飲み会なら、ぜひ参加してみたい。それがわかっただけでも、本書には魅力があると言えるのではないか。今日の飲み憂鬱だ…と思いつつ、自分の夢ってなんだっけと、ふと、立ち止まる。
文=奥みんす