横浜みなとみらいに並んで一人暮らし30代女性に人気は、吉祥寺の隣のあの街!ランキングでわかる「自分に似合う街」とは?
公開日:2017/1/14
どの街に住みたいか、自分に合うのはどんな街か。住む場所を探すとなった時、収入や通勤・通学の利便性だけでなく、自分の価値観やライフスタイルに合った街を選びたい人は多いだろう。そんな時に参考にしたいのが、多彩な視点から「住みたい街」のランキングを紹介・分析している『人生を変えたいなら、住む街を変えよう あなたにいちばん似合う街』(三浦展/PHP研究所)である。
ランキングの元になった調査は、東京、千葉、埼玉、神奈川の一都三県に住む20代から40代の男女1500人に行ったもので、「今までに一度は行ったことがある(住んだことがある)街」の中から住みたい街を選ぶという方法。それだけに、イメージからだけではないリアルな結果が表れていて、自分に似たタイプの人がどんな街を好んでいるかが見えてくる。
例えば、女性の一番住みたい街は、年齢にかかわらず、横浜みなとみらいだそうだが、女性30代1人暮らしを対象にすると、みなとみらいと同率で吉祥寺と西荻窪が入っている。西荻窪?と思ってしまうが、実は、西荻窪は吉祥寺の隣であり、おいしい店がたくさんあることで有名なのだ。
男性の方を見てみると、一番住みたい街は全体だと鎌倉。しかし、30代の男性に限定すると、1位が秋葉原という結果になっている。ただ、その30代の中でも、一人暮らしで彼女がいる人の場合は吉祥寺が1位になり、秋葉原を選んでいるのは未婚で親と同居している彼女のいないパラサイトシングルというから面白い。この結果について、消費や文化、都市を研究している著者は、「未婚で、実家に住む、彼女がいない男性は、漫画、アニメの中のキャラクターやAKB48などに彼女の代わりを求め、それらのものがたくさん集まっている街に住みたいと願っている」と分析する。
この他にも、男女年収別に住みたい街や、正社員、非正規、専業主婦別の住みたい街、人生の勝ち組になりたいと思う人の割合が多い・少ない順などなど、さまざまな角度でランキングが出され、分析されている。中には、「女性が紅茶やコーヒーを葉や豆から入れる割合」なんてものもあったりする。ちなみに、このランキングの1位は武蔵小杉であった。
本書の後半には、著者自らが住んだ経験、何度もその場所に訪れた経験から書かれた「リアルで役に立つ街ガイド」が載っている。
テレビや雑誌からだけでは見えてこない街の性格や、最近の街のトレンドも見えてくる本書。引っ越しを考えていなかった人も、読むと住む街を変えて、人生を新しくしたくなるかもしれない。
文=三井結木