松坂桃李主演ドラマ今夜放送! 今回は”裏旅人”も演じる? 「探偵・日暮旅人」シリーズ・山口幸三郎インタビュー

テレビ

更新日:2017/1/31


『『探偵・日暮旅人の残り物』 (山口幸三郎/KADOKAWA)

  目に見えないモノを視ることのできる能力をもつ、探し物専門探偵・日暮旅人。彼はその突出した視覚の代償として、それ以外の感覚すべてを失っていた。様々な事件を解決しながら旅人もまた、自分自身の人生と愛を探してゆく――。

 累計75万部を突破した山口幸三郎の人気シリーズ『探偵・日暮旅人』。2016年、全10巻をもって完結したこの作品が、今月22日より連続テレビドラマとなって帰ってくる。その名もずばり『視覚探偵 日暮旅人』!

「2015年のスペシャル版に続いて、まさかの連続ドラマ化……本当に光栄です。当時、試写会で拝見した際は緊張して頭の中が真っ白でした。それが今度は毎週放映されるのですから、なんだか不思議な気分です。とはいえ監督にも俳優の皆さんにも不安要素はまったくなく、むしろ原作をどのように視覚化するのか、キャラクターをどのように演じるのか。小説をそのままトレースするのではなく、映像でしかできない表現を、きっとしてくださるはず。そんな期待でいっぱいです」

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 作者曰く、日暮旅人は「行動だけを見たらお人好し。だけど、やっていることは人でなし」な男。柔和で優しそうな佇まいの裏側には、残酷さが潜んでいる。

「スペシャル版の時は、裏旅人の部分はまだ出ていなかったので、彼の優しい部分を松坂桃李さんが繊細に演じられていました。だからこそ連続ドラマ版では、どんな旅人を繰り出してくるのか、楽しみですね」

 旅人を支えるパートナー・雪路役には、濱田岳。旅人にほのかな想いを寄せる保育士の陽子に、多部未華子が扮する。

「僕は濱田さんの大ファンなので、雪路を濱田さんが! と、その配役に打ち震えました。こんな雪路もアリだな、と。また、多部さんが陽子を演じて下さったのですが、とても可愛らしく、かつ男性にも女性にも好かれる感じの陽子像を打ち出されていて、すごいなあ、と感じました」

 さらにびっくりしたのは、旅人の主治医である榎木ドクターを、大御所俳優・北大路欣也が演じていることだ。

「今だから言えるのですが、原作におけるラスボス的存在である、雪路の父親、雪路照之。彼は北大路さんをイメージして書いていたのです。ダンディで老練な男といえば、北大路さんだろう、と。それが、ちょっとHでコミカルなキャラ役で登場してくださるなんて……原作者の想像を凌駕するキャスティングで、驚いたし、嬉しかったですね」

 視覚探偵、とタイトルに掲げているだけに、旅人の視覚能力をどのように表現するかに期待がかかる。

「旅人の視点や視界の描写は、突き詰めると映像でしか具体的に表すことができません。加えて音楽、俳優の肉体性と存在感。様々なものが組み合わされて、どんな新たな『日暮旅人』が生まれるのか……皆さま、どうぞ、ご期待ください。僕もワクワクしています」

取材・文:皆川ちか