鬼平も食べたであろう「ねぎま鍋」、江戸庶民が愛した「初鰹のげた造り」… 料亭「八百善」で300年受け継がれる江戸料理レシピ
公開日:2017/1/29
かつて将軍も焦がれ、あの鬼平も食べた「江戸グルメ」を紹介した料理書『江戸料理大全』が2017年1月13日(金)に発売された。
番付好きの江戸の人々が、「御料理」番付で最高位に置いていた料亭「八百善」。歌川広重や歌川国貞の絵にも登場し、うわさを聞いた大名や将軍がたびたび訪れるような人気店だった。当時からのれんをあげていた「江戸料理」の老舗がほとんどなくなってしまった現代において、「江戸料理」そのものが消えかけていると思われがちだが、今でも鎌倉で「八百善」は営業しており、2017年には創業300年を迎える。
同書は、現当主10代目・栗山善四郎に伝えられた5,000以上の膨大な献立の中から、「これぞ江戸料理」といえるものを厳選して130品を掲載。鬼平が食べていたであろう「ねぎま鍋」、江戸庶民が愛した「初鰹のげた造り」や素朴な「茶粥」から、当時長崎風として話題を集めた卓袱料理の数々まで、会席料理の形式に則って幅広く紹介している。
かつおぶしと醤油がしっかり効いた江戸料理の味を堪能すると、昆布だし主体で時にうす味な京料理ばかりが和食の基本ではないことに気付かされるはず。武家の出入りが多かったことから、江戸前の魚介を使ったお造りは単なる刺身ではなく(身を刺すと縁起が悪いため)、醤油や味噌などをベースとした和え物として供していたことなど、歴史的背景もわかる味わい深い1冊だ。
プロの料理人はもちろん、新しい和のおかずや晩酌のアテを探している人も、現在まで受け継がれている江戸料理を参考にしてみては?
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