構想12年、取材11年、執筆7年! 直木賞受賞作、恩田陸『蜜蜂と遠雷』大型重版で累計発行部数27万部に!

文芸・カルチャー

公開日:2017/1/25

 2017年1月19日(木)に発表された第156回「直木三十五賞」。同賞の受賞作『蜜蜂と遠雷』の大型重版が決定した。

 2016年秋に刊行されてからすぐに、全国の読者からの感動と驚嘆と感謝の声が寄せられ続け、話題となっていた『蜜蜂と遠雷』。今回の直木賞受賞発表後、即20万部の大型重版が決定し、累計発行部数は27万部となった。

 さらに特設サイトでは、著者渾身、文句なしの最高傑作と言われている同作の制作裏話を明かす編集者コメントも公開されている。

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「構想12年、取材11年、執筆7年」とは『蜜蜂と遠雷』のプレスリリースや新聞広告で使ったフレーズで、恩田陸さんの担当歴20年以上になる私にとっても半分以上の年月この作品に携わり、3分の1の年月、月刊連載原稿の催促を続けていたことになります。
長く一つの作品にかかわるといろいろなことがあるわけで、その最大が3年に1回、開催される浜松国際ピアノコンクールへの4度もの取材です。ふつうは4度も取材しません。取材といってもバックステージを観察するようなことはほとんどなく毎日、会場の座席に身を沈め朝9時から夕方まで審査員でもないのにひたすらピアノ演奏を聴き続けるだけです。2回目以降、毎度「先生また行きたいんですか!?」と呆れたふりをしながらも、じつは無類のクラシック音楽好きの私は、しめしめとひじょうに楽しみにしていました。まさに役得です。
この作品で私がやったことは原稿の催促以外なにもありませんが、4度の取材には音楽好きの私でなかったら、つきあえなかったかもしれません。それが作品のコクのようなものになっているといいのですが…。担当編集者

<『蜜蜂と遠雷』あらすじ>
私は、まだ音楽の神様に愛されているだろうか。3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。「芳ヶ江を制した者は世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」というジンクスがあり、近年、覇者である新たな才能の出現は音楽界の事件となっていた―。
自宅にピアノを持たない少年・風間塵16歳。天才少女としてCDデビューしながらも、母の突然の死去以来ピアノが弾けなくなった栄伝亜夜20歳。音大出身だが今は楽器店勤務のサラリーマン・高島明石28歳。完璧な優勝候補と目される名門ジュリアード音楽院のマサル・C・レヴィ=アナトール19歳。彼ら4人をはじめとする数多の天才たちが繰り広げる競争という名の自らとの闘い。第1次から3次予選、そして本選を勝ち抜き優勝するのは誰なのか? 構想から12年、取材11年、執筆7年。著者渾身、文句なしの最高傑作。

恩田陸
1964年、宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』でデビュー。2005年『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞および第2回本屋大賞を受賞。06年『ユージニア』で第59回日本推理作家協会賞を受賞。07年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞を受賞。著書多数

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