美味しく食べてがんを予防! 理想的な「食べ合わせ」とは?
更新日:2017/12/25
日本人の死因のトップであるがん。それだけに、がんの予防に関する情報は、私たちの周りに無数に存在する。そのひとつであり、比較的取り入れやすいのが食事ではないだろうか。がん細胞を発生させにくい食材を日々の食事に取り入れることで、がんを予防できるなら、ぜひとも試してみたいという方も多いだろう。
そこでオススメしたいのが、『この「食べ合わせ」が、がんにならない』(白鳥早奈英/祥伝社)だ。本書では、栄養学の観点から、がんの予防に効果的だとされる食材同士を組み合わせた「食べ合わせ」が推奨されている。食材同士の組み合わせから実際のメニューまで、手軽に取り入れられそうなものが多数紹介されているので、参考になること間違いなしだ。
■自宅で簡単にがん予防〈オクラ納豆〉
オクラといえば夏野菜の代表だが、外国産のものも多く、一年中いつでも手に入る食材だ。ビタミンやカルシウム、食物繊維などが含まれているが、ペクチンというネバネバの成分にがんの予防効果があるそう。効果を活かすには、生で小口切りにするのがオススメだ。納豆には、タンパク質やビタミンなどの他ほか、イソフラボンも含まれている。イソフラボンは、女性ホルモンに似た働きがあることで知られているが、大腸がんの予防効果もある。筆者も実際に作ってみたが、わずか数分で完成。ごはんのおともにもなるし、酒のつまみにもなる。冷奴に合わせてもいいし、うどんにかけても美味しそうだ。
〈プルーン・ヨーグルト〉
ヨーグルトを食べる時、ぜひとも一緒に食べていただきたいのがプルーン。美容効果があることでも有名だが、プルーンに含まれる抗酸化作用の高いポリフェノールの一種であるネオクロロゲン酸にがんの予防効果がある。ヨーグルトには乳酸菌が豊富に含まれており、がん細胞やウイルスを排除するNK細胞を活性化させるそうだ。腸の動きが最も活発になるのが夜10時~午前2時なので、夕食後に食べると効果的。
■外食でもがん予防〈ローズマリーのラムチョップ〉
日々の家での食事に加えて、外食時にも少しだけがん予防を心がけてみてはいかがだろうか。例えばラムチョップ。ローズマリーには、香りの元となる精油成分が豊富に含まれており、なかでもテルペン類のジテルペンはがん細胞の成長を抑える働きがある。ラム肉には、免疫力を活性化する亜鉛や、大腸ポリープなどの予防に効果的なカルニチンが多く含まれる。
〈イカスミのパエリア〉
スペイン料理のお店などに行くと、メニューで見かけるのがイカスミを使ったパエリア。実は、このイカスミには抗がん作用がある。これに、同じく抗がん作用のあるリコピンを豊富に含むトマト、消化器の免疫を高めて消化器系のがんを予防すると言われているたまねぎなどが入っていれば、さらに効果的だ。
がんに効果的な「食べ合わせ」と聞いた時、最初はあまりピンとこなかったが、本書では、研究データなどを含む科学的根拠を示しながら解説されており、納得の内容だった。もちろん、がんの予防には、食事以外にもたばこやお酒、運動などの生活習慣を整えることが大切。その一環として、毎日の食事に少しずつ、抗がん作用のある食材を取り入れてみてはいかがだろうか。がんに強くなるということは、健康になるということ。試してみる価値はありそうだ。ここでご紹介した以外にも、がん予防効果の高い食品と成分など、参考になりそうな情報が豊富に掲載されているので、ぜひ参考にしていただきたい。
文=松澤友子