女子高生、というと、多感で複雑なお年頃。性的なことに興味を持ちつつも、やっぱり敏感で繊細な反応を示すのが一般的だろう、と思うし、思いたい。特に男性は、そう考える傾向が強いのではないだろうか。アニメや漫画でも、クールになキャラやツンツンしたキャラは多いが、何だかんだで恥ずかしがり赤面するキャラクターが圧倒的多数を占める。しかし今、女子高生としてもキャラクターとしても常識を打ち破るコミック『変女～変な女子高生 甘栗千子～』（此ノ木よしる/白泉社）が注目を集めている。

　工業高校に通う女子高生・甘栗千子は、一見プライドが高そうなかなりの美少女。見た目もどちらかといえば大人しそうで、下ネタや性的なことを口にするなんて絶対にしなさそうな女の子だ。しかし彼女、男子トイレに男性がいても平気で真横で掃除をしたり、恥ずかしがるどころか堂々とNGワードを連発するという、トンデモ女子高生だった！！

　彼女の家は何でも屋を経営しており、住み込みの従業員を募集していた。そして一か月後、新しく入ってきた男性従業員・高村と杉田が生活を共にすることとなる。高村に与えられた部屋は、千子とふすま一枚で繋がっている隣の部屋。普通の女子高生なら全力で拒否しそうなものだが、千子は違った。特に嫌がるでも恥ずかしがるでもなく淡々と部屋の説明をし、ちなみに、と「気配が伝わってくるので　オ●ニーは控えて下さい」、と堂々と言い放ったのだ。

　そして千子が千子なら高村も高村で、千子の強烈な物言いに対抗しようと、彼女の鉄壁を崩そうと躍起になる。同僚の杉田にけん制され、引かれながらも、女の子ならこれには耐えられないはず！、これでどうだ！ と次々と千子に下ネタやセクハラを繰り出しては自滅している大人げない男なのだ。しかも千子の方は、「私も結構好きですよ、高村さんのこと」などとさらっと言ってしまう余裕があり、もはや高村に勝ち目はない。

　しかし千子も、羞恥の沸点が高すぎて滅多に見られないが、実はごくごくたまに赤面している。そして「私も結構好きですよ、高村さんのこと」というのは冗談でも嘘でもなかったようで、巻を追うごとに少しずつ彼女の高村への積極性は増していって――！？

　この『変女～変な女子高生 甘栗千子～』は1月27日に最新第6巻が発売された。6巻では、ヤンキー男子やロリ女子高生も登場し、次々と千子の強烈すぎる魅力（？）にはまっていく。また、高村との関係も、相変わらず千子の翻弄主導で急展開！？

　彼女は紛れもない変態で、予想の斜め上をいく発言ばかりしているが、絶妙なラインでコメディタッチに描かれているおかげか不愉快な感じはない。それどころか、可愛いと思ってしまうから不思議だ。千子と高村の、そしてまわりの人間との関係がどうなっていくのか、6巻も目が離せない！！

文＝月乃雫

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