ねこと暮らすだけで自信がついて人生が変わる!「ねこ啓発」ってニャンだ?
更新日:2018/4/6
人類とねこが出会ってから1万年余。ねこブームの続く近年、ねこに関する経済効果は年間2兆3000億円(※1)とも言われ、ネコノミクスなる言葉も生まれました。そんな中、ねこと人類の歴史に新たな関係が生まれようとしています――それが「ねこ啓発」です。
【ねこ啓発】ねこと暮らすことにより、人の潜在能力が引き出され、精神面でも成長すること。またはその効果。
ねこと暮らすと人間の潜在能力が引き出される? 心が成長する? そんなばかニャ? 世界初のねこ啓発本『幸せになりたければねこと暮らしなさい』(樺木宏/自由国民社)に、その真相を探ってみましょう!
ねこと暮らせば心身ともに健康になれる
著者の樺木宏さんは「ねこと暮らすと、心身ともに健康になる」と言います。ねこは、心の安定をもたらす「3つのねこホルモン」――「幸せホルモン」「愛情ホルモン」「脳内麻薬」を同時に増やしてくれるからです。そのためにすべきは、ただひとつ――「ねこと暮らす」だけ!
ねこと暮らす=世話をすることです。毎朝ごはんをあげる、毎日トイレ掃除をする、一緒に遊ぶ、外出してもねこに会いたくて早く帰る――自然と「規則正しい生活」になって、「幸せホルモン(セロトニン)」の分泌が活性化し、精神が安定してきます。
膝に乗って甘えてくるねこを「撫でる」と、脳が刺激され「愛情ホルモン」ことオキシトシンが分泌されます。オキシトシンはストレスを緩和し、「幸せホルモン」の分泌も促すので、ねこを撫でるだけで「癒やしのループ」が完成してしまいます。
一緒に暮らせば、ねこを見て「かわいい~」と思う機会が増えます。ねこに意識を向け、愛情を感じる、ただそれだけで今度は「脳内麻薬」ことベータ・エンドルフィンが分泌されます。ベータ・エンドルフィンは嫌なことを一時的に忘れさせ、幸福感をもたらしてくれます。
小難しい話はともかく――つまりは「ねこと一緒に暮すだけで、規則正しい生活が身につき、人間の脳はとてもいい状態になり、心身ともに健康になる」ということなんです。
おまけに、ねこの安全のために部屋の片付けをして断捨離が進み、ねこの毛を取り除くために部屋掃除もマメになります(筆者も実感)。生活環境まで改善され、心身ともにスッキリ!
ねこから学ぶ、自分らしい生き方のヒント
ねこの生き方には、「自分らしく生きるためのヒントが隠されている」と樺木さんはいいます。ねこは、自由気ままです。甘えるのも、去っていくのも気分次第。したいことをしたいと伝え、ダメならダメであっさりあきらめる。自分勝手なはずなのに、嫌われることはありません。「自分自身を偽らず、素直に感じるままに表現しても、世界から許されるのだ」というメッセージが、ねこと暮らすと潜在意識に刷り込まれます。それが、心を強くし、あなたを成長させてくれるのです。
そして、ねこには、強制も押し付けも利害関係も通用しません。ひたすら「相手を受け入れ」「与える」だけの関係を続けていると、いつしか人間相手にも同様のことができるようになります。一方的な負担に思えますが、人間は「他者から与えられると、お返しをしたくなる」心理が働きます。あなたが人の上に立ち「面倒を見る=与える」と、下で働く人たちの仕事が「うまくいく=成果を上げる」ことに繋がり、結果的にあなたの評価も高まる──と、人生まで好転してしまうのです。
「“ねこばか”過ぎません?」と思うかもしれませんが、元々は犬派だった樺木さんが、奥さんの影響でねこと暮らし始めて魅力に気づき、「ねことの時間を確保するため」に起業し、ついには本書を執筆してしまったというのだから、ねこ啓発の効果はホンモノです。
そんな樺木さんが「ねことの暮らし」を勧めるもうひとつの大きな理由があります。それは、「1匹でも多くのねこを幸せにしたい。命を救いたい」という願い。ねこブームの陰で、日本では年間8万匹(※2)とも言われるねこが殺処分されています。野良猫以外にも、無責任な人間が捨てたねこ、ペットショップで売れ残ったねこたちが、今も死の瀬戸際にいます。樺木さんは、本書を読んでねこと暮らしてみたいと思ったら、「ペットショップではなく、動物愛護団体や里親ボランティアで保護されているねこを引き取ってあげてください」と呼びかけています。もちろん、十数年生きるねこたちを引き取るということは、簡単なことではありません。一緒に暮らせば生活も制限されるし、出費もあります。飽きたからバイバイは許されません。ねこと暮らすには「勇気」も必要なのです。
それでも、ねこたちに会いに行って、一緒に暮らしていく勇気が持てたのなら、連れて帰ってあげてください。いつもの部屋で、ちょこんと座った、新しい家族を見つめるあなたの顔は“ねっこり”すること間違いなし! というわけで、あなたも「ねこ啓発」を始めてみませんか?
文=水陶マコト
(※1)(※2)本書より