うどん屋の数はコンビニの◯倍! 香川県民は愛媛県民より岡山県民が好き! ”香川県あるある”
公開日:2017/2/1
日本には47都道府県ある。つまり47の地域で発達した独自の文化がある。カルチャーショックになるほど変わった文化もそれぞれの地域で当たり前に根付いており、日本は狭いようで案外広いのだと思い知らされる。
『香川共和国のオキテ100ヵ条』(mimika/メイツ出版)はシンガーソングライターとして活動するmimikaさんが監修した香川県の「あるある本」だ。香川県出身のmimikaさんは、シンガーソングライターとして上京してはじめて香川県の素晴らしさに気づいたそうだ。今回はその素晴らしさと香川県民にしか伝わらない「香川県あるある」をご紹介していこう。
うどん
香川県といえば、うどんだ。本書によると、香川県にあるうどん屋の数は900軒以上。コンビニが300店舗ほどだそうで、コンビニの3倍もうどん屋があるのだ。「うどん県」の名は伊達ではない。うどんの価格も他県と比べ物にならないくらい安い。かけうどん(小)であれば、1杯100円で食べられるそうだ。ファストフードチェーン店も真っ青の値段だ。ちなみに香川県のうどんのサイズは、他の地域のうどんのサイズと同じと思ってはいけない。お店にもよるが、(小)は1玉ほどあると思っていい。(大)になると、3玉入れるお店もある。なぜこのようなことが言えるかというと、筆者は香川県に住んでいたことがあり、小食のクセに(大)を注文するミスを犯したことがあるからだ。小食の読者が「うどん巡り」をする際は、ぜひお店のうどんのサイズに気をつけてほしい。
水不足
ため池王国として知られている香川県。本書によると、ため池の数は1万4000面にものぼるそうだ。しかし裏返すと、香川県は雨が降らず、水不足に悩まされてきたということでもある。そのため「四国の水がめ」と呼ばれる高知県の早明浦ダムから水の供給を受けている。ところが渇水になる夏の時期、香川県民は早明浦ダムの貯水率が気になり始める。貯水率が下がると「取水制限」が始まり、水道の水の出が悪くなったり、学校のプールに入れなくなったりするのだ。今年の夏はほどよく雨が降り、早明浦ダムからあふれんばかりの豊水であることを願いたい。
香川県民と岡山県民
香川県民が価値観を共有できるのは、瀬戸内海を隔てて向かいに位置する岡山県民だ。愛媛県民でも高知県民でもない。読者は意外だろう。その理由の1つとして、距離の近さが挙げられる。香川県と岡山県は瀬戸大橋でつながっており、車を使えば高松市内から1時間半で行ける距離。案外近いのだ。そしてもう1つは、香川2局、岡山3局が相互に補完し合い、東京キー局5局すべてを視聴できるローカルテレビの存在だ。お互いのローカルニュースも見ることができるので、香川県民は愛媛県・高知県・徳島県のニュースより岡山県のニュースの方が知っているほど。さらに本書によると、香川県の金刀比羅宮と岡山県の由加大権現との間にある深いつながり、香川の松平家と岡山の池田家の仲が良かったことを挙げ、古くから両県は親密な関係にあったことも要因ではないかと指摘している。
本書はこの他にも、讃岐弁は関西弁と似ていること、香川県で生まれた太りにくい希少糖、貯蓄が大好き香川県民などを紹介している。地方の文化は奥が深い。香川県でうどん巡りをする予定がある読者は、ぜひうどん以外の文化にもふれてほしい。
文=いのうえゆきひろ